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プロジェクト名
新型コロナウィルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト
*エルサルバドルを含めて世界11カ国で実施
協力形態
技術協力プロジェクト
テーマ
保健医療
プロジェクト対象地域
サンサルバドル県(エルサルバドル病院)
協力期間
2021年10月~2020年9月
カウンターパート機関
エルサルバドル保健省、エルサルバドル国立病院
プロジェクトの背景
新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」)の感染が世界的に拡大・長期化する中、途上国各国のUHCの達成に向けて感染症対策の拡充、保健医療システムの強化に迅速に取り組むことが急務となった。中でも感染症の拡大が経済社会に与える影響が深刻、かつ今後の発生・拡大に懸念を有する途上国の医療現場での患者治療の対応能力向上は不可欠であり、各国医療現場での治療能力向上支援を迅速に展開する必要性が生じた。
かかる状況の下、「JICA世界保健医療イニシアティブ」の一環として、JICAは「感染症流行時の遠隔ICU支援のあり方に係る情報収集・確認調査」を2020年12月より開始し、コロナ禍におけるICU支援ニーズを調査し、COVID-19拡大の中での移動や接触についての物理的な制約の下での遠隔を基本とする技術協力の在り方を検討した。同調査で確認されたニーズを踏まえ、本事業では患者の集中治療能力の強化が必要な国々に対し、日本国内の集中治療専門医と看護師による現地医師や看護師等への研修・助言・指導を、遠隔ネットワークの構築により実施した。
エルサルバドルでは、COVID-19重症患者の治療に特化する病院として、JICAの借款事業により建設されたエルサルバドル国立病院の医師と看護師に対して、遠隔医療システムを利用して日本の集中治療の専門家が実際の重症患者のケースに対して、診断と治療に関して直接助言することにより、本プロジェクトを通して実践的かつ効率的・効果的な技術協力ができた。
また、ラテンアメリカ地域の同プロジェクトが実施されていた他国(メキシコ、グアテマラ、ボリビア)の医療機関と合同のオンライン地域セミナーを実施するなど、各国における集中治療の事例共有をすることで、エルサルバドル病院の集中治療室で働く医師・看護師らはさらに学びを深めた。
目標
【上位目標】
新型コロナウイルス感染症をはじめとする重症患者を管理・治療するための医療サービス体制が確立される。
【プロジェクト目標】
対象病院において、新型コロナウイルス感染症をはじめとする重症患者を管理・治療するための集中 治療サービス提供能力が強化される。
期待される成果
成果1:対象病院における医療従事者が、集中治療分野の基礎と遠隔ICU通信システムの機能を理解し、D2D・N2Nの技術的助言・支援の受入準備が整う。
成果2:日本の集中治療専門医・看護師による遠隔でのD2D・N2Nの技術的助言を通じて、対象病院の医療従事者重篤患者の管理・治療能力が強化される。
活動内容
成果1に係る活動:対象病院における医療従事者が、集中治療分野の基礎と遠隔ICU通信システムの機能を理解し、D2D・N2Nの技術的助言・支援の受入準備が整う。
1-1. 日本の集中治療専門医・看護師による遠隔での、感染症診断・治療を含む集中治療に関する医学的事項、及び遠隔ICU通信システムの運用に関する研修等が実施される。
成果2に係る活動:日本の集中治療専門医・看護師による遠隔でのD2D・N2Nの技術的助言を通じて、対象病院の医療従事者重篤患者の管理・治療能力が強化される。
2-1. 日本の集中治療専門医・看護師による遠隔での、D2D・N2Nの症例に対する技術的助言と能力強化プログラムが実施される。
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