第23回中米・カリブ海競技大会 ~エルサルバドル柔道、銅メダル獲得までの軌跡~

2023.07.04

2023年6月23日(金)~7月8日(土)、エルサルバドル国にて「第23回中米・カリブ海競技大会(XXIV Juegos Centroamericanos y del Caribe 2023)」が開催され、JICAエルサルバドル事務所は柔道競技を応援しました。

2022年度1次隊、柔道隊員である深井龍河JICA海外協力隊員は、ナショナルチームのコーチとしてこの大会でのメダル獲得に向け尽力してきました。活動当初は指導方法の違い、選手達の経済的な問題など多くの課題があることに加え、熱意がうまく伝わらない葛藤をコーチとして感じることもありました。
 しかし、2023年に入り、4月にコスタリカそして5月にはグアテマラでの国際大会参加を通じて、ナショナルチームの柔道家たちは経験値を積み、他国選手の戦術研究を行い、ホームであるエルサルバドルでの大会に向けて、チームの雰囲気もまとまってきました。

この大会には、開催国チームとして、女子6名・男子7名、合計13名の選手で望み、深井コーチもセコンドに入り選手への檄を飛ばしました。大会会場では大勢の声援を受け、選手達もその声に応えるべく奮闘しました。そして、6月26日(月)の男子-100kg級の銅メダル決定戦で、フアン ディエゴ トゥルシオス選手がドミニカ共和国の選手と対戦し、残り時間28秒にトゥルシオス選手の力強い一本が決まり、この大会における国内2個目のメダル獲得にエルサルバドル中が歓喜に包まれました。

全試合の終了後、深井コーチは「トゥルシオス選手は以前より減量で苦い経験をしていることに加え、数年ぶりの試合参加だった為、常にトゥルシオス選手に寄り添い二人三脚で減量に成功することができた」と振り返り、今回のメダル獲得の裏には技術練習や試合のみならず、生活面での細やかな配慮と選手とコーチの間の厚い信頼関係があってこそだと言えます。

深井コーチは、今後の展望として、選手達の精神的な面を含めた技術指導を行いつつ、コーチ陣への指導をメインに行っていくとの意気込みを語っていました。また、エルサルバドルでの活動当初より初心者への柔道教室も並行して行っており、「一期一会を大事に、一人でも多くの方々に柔道の良さを知ってもらいたい」とも語りました。

JICAエルサルバドル事務所は、深井コーチの今後の更なる活躍を期待するとともに、この大会で技を競いあったエルサルバドルの代表選手の皆さん、そしてエルサルバドル柔道連盟に敬意を表します。

女子-57㎏級 アレハンドラ ルイス選手の試合に挑む深井コーチ(右側)

女子-57㎏級 アレハンドラ ルイス選手の試合に挑む深井コーチ(右側)

深井コーチ(左側)・エルサルバドル柔道連盟会長(中央)・JICAエルサルバドル事務所長(左側)

深井コーチ(左側)・エルサルバドル柔道連盟会長(中央)・JICAエルサルバドル事務所長(左側)

女子-48㎏級メダル授与式。プレゼンターはチャベス会長とJICAエルサルバドル事務所長でした。

女子-48㎏級メダル授与式。プレゼンターはチャベス会長とJICAエルサルバドル事務所長でした。

試合開始直前の男子-100㎏級トゥルシオス選手と深井コーチ

試合開始直前の男子-100㎏級トゥルシオス選手と深井コーチ

銅メダルが決定した歓喜の瞬間!

銅メダルが決定した歓喜の瞬間!

トゥルシオス選手と深井コーチ。今までの練習の成果が実りました!銅メダルおめでとうございます!!

トゥルシオス選手と深井コーチ。今までの練習の成果が実りました!銅メダルおめでとうございます!!

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