ブンナがつなぐ心と心

2023.05.02

2017年度1次隊 バドミントン隊員
高橋 真子

二年間のエチオピア滞在で何杯のコーヒーを飲んだのでしょうか?
家から一歩出ると、毎日のように「コーヒーでもどう?」とご近所さんと一緒に路面のコーヒー屋さんでおしゃべりし、週末や祝日には同僚や友達の家でコーヒーセレモニーという伝統的な方法でコーヒーを頂きました。私のエチオピア生活はコーヒーなしでは語ることができないので、コーヒーを軸に私の活動を紹介させていただければと思います。

初めて任地へ行ったのは現地研修終盤のホームステイの時でした。覚えたてのアムハラ語だけでホストファミリーと一週間過ごすのはとても不安でした。しかし大きなインジェラをみんなで囲んで食べた後に、毎回出てくるコーヒーにホッと安心したのを覚えています。そんな私を見て、ホストファミリーのお母さんがコーヒーセレモニーの手順を教えてくれ、一緒にコーヒーを準備しました。私の未熟なアムハラ語のせいで会話はあまり成り立ちませんでしたが、お互いにコーヒーが大好きであるという共通点が文化や言語の壁を越える突破口になってくれたように思います。

初めての出勤日。緊張した面持ちで向かったアルバミンチの配属先では、自己紹介もそこそこに、とりあえずシャイブンナだ!とオフィスの一角にある小屋に連れて行ってもらいました。歓迎の証としてご馳走していただいたコーヒーに「おいしい!!」と目を輝かせた私を見て、喜んだ同僚たち。週末には、毎度のように家に招待してコーヒーセレモニーをしてくれる彼らのおかげで、気付いたら配属先ともカウンターパートのコーチとも仲良くなり、活動が順調に進みだしました。

家の近くに行きつけのブンナベットもできました。私の住む街では多くの人が贔屓のブンナベットを持っており、私も家から徒歩圏内に素敵な場所を見つけました。そこに行き始めてから多くのご近所さんと仲良くなることができ、アムハラ語も上達していきました。活動がうまくいかなかった日や同僚と言い合いになってしまった日には、そこへ行き、常連のもみんなと雑談することで気持ちをリセットしていました。道端に座って5ブルのブンナを飲む時間は忙しい日本の生活では体験できない癒しがありました。

気付けば、エチオピアの人におもてなしを受けることの多かった2年間でした。彼らの愛やホスピタリティは本当に素晴らしく、何度それに助けられたかわかりません。その時の感謝が今でも忘れられず、今私は国際協力業界で働いています。エチオピアは私が2年間ボランティアとして活動しただけの場所ではなく、私の人生を変えてくれた場所です。今日もエチオピア産のコーヒーを飲みながらエチオピアに想いを馳せています。

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友人たちとのコーヒー

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バドミントン練習風景

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