One Ball プロジェクト

2023.10.24

加朱 将也
2011年度1次隊
体育

エチオピアの隊員派遣50周年おめでとうございます。私の名前は加朱将也です。私がエチオピアで活動していた時から約10年が経ちました。今でもエチオピアには、私が羨ましく思う「文化や人と人との繋がり」はあるでしょうか。私は、現地の学校に体育の教員として派遣されました。道具も施設も十分にない状況下での体育の授業は、常に工夫やチャレンジすることが求められました。そのような中、私は、スポーツに打ち込める場やスポーツを通じて成長できる場を子どもたちに提供するためには、施設や用具の充実は欠かせないものだと感じました。そこで、企画したのが「ONE BALLプロジェクト」と称した活動でした。ボール一つを持って国内のあらゆるところへ赴き、サッカーを通じた教育活動を実践しました。そして、その活動を通じてスポーツの楽しさ、教育的な意義を地域の人々に伝えるための活動を行ったのです。活動当初は、私たちの活動に協力してくれる人が見つからず苦戦しました。しかし、活動を続けていくにつれて現地の理解者が集まり、プロジェクトは飛躍的に発展したのです。その発展に寄与したのは、現地のスポーツオフィスの関係者とエチオピアの地域の人々でした。私たちJOCVの活動する「姿」に共感してくれた現地の人々が現地の「言葉」でプロジェクトの活動の意義を広めてくれたのです。結果的に500人を超える子どもたちと100人を超える関係者と共にプロジェクトを遂行できたのです。

この活動の裏側には、エチオピアの地域にある「人と人との繋がり」がありました。地域でサッカー大会を行うと集まってきて子どもたちを応援してくれる人々、プログラムを円滑に進めるために、周りで手伝ってくれる人々、仕事としてではなく、人として子どもたちの教育活動に携わってくれる「人と人との繋がり」がエチオピアにはありました。現在の世界情勢はどうでしょうか。人と人とが繋がるどころか、人を排除しようとする動きや、コロナ禍の影響で人と人との繋がりが疎遠になっている状況下であります。私が羨ましいと思うのは、先進諸国で失われた人としての原点がエチオピアにはあることです。そして、そのエチオピアの強みが私たちの活動を発展させてくれました。隊員派遣から50年。今後も現地で人と人とが繋がり、異なる文化を持つ人が合わさることで起こる様々な喜びや感動が受け継がれていくことを願っています。

ONE BALLプロジェクト

ONE BALLプロジェクト

ONE BALLプロジェクトにおけるサッカー試合風景

ONE BALLプロジェクトにおけるサッカー試合風景

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