日本の食育・給食を学ぶ
2024.09.12
独立行政法人国際協力機構(JICA)は、長崎大学と連携し、2024年9月2日から、インドネシアの行政官らを対象とした、日本の学校給食に関する研修を実施しており、13日に帰国予定です。
インドネシアでは、子どもの栄養不良が深刻な課題となっています。10月に就任予定のプラボウォ次期大統領も、無料で栄養価の高い食事を提供するプログラムを目玉政策の一つに掲げています。これを受けて、8月には国家栄養庁が新設されるなど、栄養改善に向けた取り組みが本格化しています。
今回の研修には、新設された国家栄養庁をはじめ、保健省、教育省、宗教省など、学校給食に関わる多様な機関から参加がありました。島国という地理的特徴をインドネシアと共有する長崎を舞台に、日本の学校における食育・給食の経験を学んでいただくことで、インドネシアでの学校給食の導入と子どもたちの栄養改善に貢献することを目指しています。
研修では、長崎県内の小学校で給食システムや食育の授業を見学し、配膳・片付の様子を見ていただくとともに、参加者が実際に子どもたちと一緒に給食を楽しむ機会も設けられました。また、県内の学校給食用食材の生産所を訪れ、地産地消の重要性や地域農家と連携した食育について学ぶとともに、給食センターを視察し、セントラルキッチンでの大規模な調理から配送までの一連の流れを確認しました。本研修に参加した国家開発企画庁大臣顧問(社会問題・貧困対策担当)のプンカス氏からは「日本の給食が単に食事を提供するのではなく、栄養、文化、子供たち自身による配膳、片付けも含んだ食育を通じて、高い健康意識に加えて、食や生産者への感謝の気持ちも育んでいることに感銘を受けた。日本の給食の供給体制や栄養基準、衛生基準などを、コンテクストの異なるインドネシアでどのように取り入れていけるか、考えていきたい。」とのコメントがあり、この研修で得た知見がインドネシアの学校給食制度の構築に活かされることが期待されます。
小学生と一緒に給食を喫食する研修参加者。
実際の調理の様子を視察するインドネシア政府高官一行。
栄養教諭による食育を受ける子供たち。
★担当J
ICA インドネシア事務所担当, 川本
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.312)
Email: Kawamoto.Hanako2@jica.go.jp
★副担当
JICA インドネシア事務所広報担当, プトリ
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.222)
Email: putrisiahaan.in@jica.go.jp
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