JICAとインドネシア政府との協力によるパレスチナ向け第三国研修 『熱帯果樹作物「アボカド」の総合的栽培管理研修』を開始
2025.08.12
2025年8月11日、国際協力機構(JICA)とインドネシア共和国外務省および同農業省は、インドネシアにおけるパレスチナ向け第三国研修『熱帯果樹作物「アボカド」の総合的栽培管理研修』の開始を記念し、インドネシア農業訓練センター(Balai Besar Pelatihan Pertanian Ketindan/Indonesian Center of Agricultural Training:マラン)にてオープニングセレモニーを開催しました。
セレモニーには、ズハイル・アルシュン在インドネシア・パレスチナ大使、イドハ・ウィディ・アルサンティ・インドネシア農業普及・人材開発庁長官、アデ・チャンドラディジャヤ農業省国際局長、ダリヨノ・インドネシア・エイド長官、神保尚美JICAインドネシア事務所次長他が出席しました。
JICAとインドネシア政府は、2007年からパレスチナの開発を支援するための三角協力を実施してきており、本研修は、2013年に立ち上げられた地域協力枠組みである「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」に基づき開始された「CEAPADを通じた能力強化フェーズ2」の一環として実施されます。
本研修は、パレスチナの地域社会で栄養ニーズを満たす重要な農産物として、また、パレスチナ人の生計の源として農業省により広く栽培を促進されているアボカド栽培に関し、持続可能な農業を支援するための知識やベストプラクティスの共有によって、パレスチナ政府職員の能力向上を目的とするものです。8月11日から25日まで、パレスチナ関連省庁から15名の研修員が参加し、アボカドの栽培、水質管理、総合的害虫・病害管理、土壌肥沃度、収穫後の管理、農薬の配合と散布等の知識向上に加えて、インドネシアにおけるアボカドのバリューチェーン、およびアボカドに関するマーケティングとネットワーク開発について学びます。参加研修員は、スラバヤ、マラン、グレシク、クラテン、スバン、ボゴールなど、インドネシアのさまざまな地域を訪問しながら、理論的な講義と現場での実践的なセッションを通じて、アボカドの収穫から販売までの包括的な理解とスキルを習得することが期待されます。
本セレモニーにおいて、JICAインドネシア事務所 神保次長は、「この研修は、2007年からさまざまな協力枠組みを通じて行われているパレスチナの開発支援に対する日本とインドネシアの強い連携の表れである」と日本とインドネシアとの協力によるパレスチナ支援への期待を表明しました。
ズハイル・アルシュン在インドネシア・パレスチナ大使は、農業はパレスチナ経済の根幹であることに言及し、JICAとインドネシア政府によるパレスチナに対する継続的な支援を評価し、「アボカドはパレスチナで最も有望な高付加価値作物の一つであり、パレスチナ経済に大きく貢献しています。私たちは、
アボカドの生産に関するベストプラクティスと経験を得られることを大変嬉しく思っています」と両国の協力による支援に感謝を表明しました。
インドネシア外務省国際開発協力局のオールドリン氏は、2年にわたる協議を経て、この研修を実現するためのJICAによる継続的な支援と協力に感謝の意を表しました。さらに、「JICAがインドネシアにとって強固で信頼できる開発パートナーであり、JICAが三角協力パートナーとしてインドネシアのビジョンと優先事項と一致したプログラムを議論する姿勢を示している」ことに言及しました。
ダリヨノ・インドネシア・エイド長官は、「インドネシアはインドネシア・エイドを通じてグローバルな開発金融の格差是正に大きな役割を果たしており、インドネシア・エイドは設立以来、86カ国に恩恵をもたらす開発援助に一定額を配分してきた」と説明しました。
イドハ・ウィディ・アルサンティ農業普及・人材開発庁 長官は、この研修の実現に尽力したJICA、外務省、農林水産省、インドネシアAIDなどの関係機関に対し、最大の感謝の意を表しました。
この研修プログラムを通じてパレスチナ農業省の能力が向上し、パレスチナ・インドネシア・日本の連携強化によるパレスチナにおけるアボカド栽培能力の向上が期待されます。
◆担当
JICA インドネシア事務所担当,森
TEL: (62-21) 5795-2112 (ex.311)
E-mail:mori.mizuki@jica.go.jp
◆副担当
JICA インドネシア事務所広報担当, プトリ
TEL: +62-21-5795-2112
E-mail:putrisiahaan.in@jica.go.jp
scroll