JICAとインドネシア共和国労働省、職業紹介サービス向上のため Community of Practiceを開催
2025.12.02
国際協力機構(JICA)は、インドネシア共和国労働省職業紹介・労働機会拡大総局(Binapenta & PKK)と協力し、2025年11月26日(水)、ジャカルタのインドネシア労働省において「公共職業サービス職員向け研修Community of Practice(CoP)2025」を開催しました。今回は「職業紹介サービスにおけるベストプラクティス共有」をテーマとして、インドネシア全国の職業紹介担当者が知見と経験を共有し、革新的な取り組みを発表することを目的として開催され、会場で約125名、オンラインで約500名を超える関係者が参加しました。
インドネシアは約1億5千万人の労働人口を有し、2045年の「ゴールデンインドネシア」達成に向けて歩みを進めています。特に若年層の失業率改善が喫緊の課題となっており、公共職業サービス(PES)の役割はますます重要です。JICAは2024年1月から労働政策アドバイザーを通じて、インドネシア労働省とともにPESのコミュニティ・オブ・プラクティス活動を継続してきました。
開会式には、インドネシア共和国労働大臣ヤシエルリ氏、JICAインドネシア事務所竹田所長、全国社会保険労務士会連合会会長若林正清氏、そしてインドネシア労働省職業紹介・労働機会拡大総局長代行エスティアルティ・ハルヤニ氏が出席しました。
ヤシエルリ労働大臣は挨拶の中で、急速に変化する労働市場に対応するため、2014年以来改定されていない職種名索引(Job Title Index)の更新が喫緊の課題であると強調しました。「特にITの発展により新たな職種が次々と生まれている今、労働市場のトレンドを把握することが重要です。また、AIが急速に普及する時代において、職業紹介担当者はAIをツールとして活用しながらも、AIには決して代替できない専門性と人間的な洞察力を磨き続けることが求められます。そういった能力強化の意味でも、本日ご紹介いただく日本の社会保険労務士の取り組みからも、多くを学べることを期待しています。本コミュニティ・オブ・プラクティスを通じて互いに学び合い、日々研鑽を積むことで、職業紹介サービスの質の向上を実現していきましょう」と述べました。
また、JICAインドネシア事務所竹田所長は「PESが、労働者と企業、訓練機関を繋ぐ中核的な存在として、労働市場に参入するあらゆる段階で求職者に適切な支援を提供し、スムーズな就業移行とキャリア形成を支えることは、雇用の量の確保だけでなく、質を向上させ、ひいてはゴールデンインドネシア達成に向けた労働省全体の施策を成功に導く鍵となると考えます」とコメントしました。
本CoPは2024年1月に初めて開催され、インドネシア関係者から高い評価を受けました。その成果を踏まえ、2025年2月は「カウンセリング、関係機関との連携、障害者雇用」をテーマに、9月は「公共雇用サービスにおけるパフォーマンス管理」をテーマに開催してきました。
今回のCoPでは、午前のセッションで就職困難者への支援をテーマに取り上げ、日本のハローワークの経験や社会保険労務士による実践的な取り組みを紹介しました。午後のセッションでは、インドネシア全国から事前に募集したグッドプラクティスの中から選ばれた優秀な提案が発表され、現場の職業紹介担当者による積極的な知見共有が行われました。
本イベントを通じて、職業紹介担当者の能力が最大限に発揮され、インドネシアにおける公共職業サービスの質がさらに向上すること、全国のPES関係者が学びあう仕組みが定着していくことが期待されています。
◆担当
JICA インドネシア事務所担当,川本
TEL: (62-21) 5795-2112 (ex.312)
E-mail:kawamoto.hanako2@jica.go.jp
◆副担当
JICA インドネシア事務所広報担当, プトリ
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.222)
E-mail:putrisiahaan.in@jica.go.jp
2025年Community of Practice(CoP)の参加者が、JICAインドネシア事務所竹田所長およびインドネシア共和国労働大臣ヤシエルリ氏とともに記念撮影。イベントはインドネシア共和国労働省にて開催され、約625名がハイブリッド形式で参加しました。(11月26日)
JICAインドネシア事務所竹田所長より、「公共職業安定所(PES)が求職者の労働市場への参入やキャリア形成に適切な支援を提供できることを期待します」との挨拶がありました。(11月26日)
インドネシア共和国労働大臣ヤシエルリ氏は、「CoPを通じて参加者が互いに学び合い、自己研鑽を続け、職業紹介サービスの質向上を実現することを期待します」と述べました。(11月26日)
Community of Practiceにおいて、失業率の低減に向けた革新的な取り組みを発表した、優秀な職業紹介担当者10名が紹介されました。(11月26日)
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