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ネパール保健人口省関係者がインドネシアを訪問 ―日本発祥の母子健康手帳を活用した30年の協力成果を学ぶー

2026.02.11

独立行政法人国際協力機構(JICA)は、2月3日から6日まで、ネパール保健人口省および「母子健康手帳の活用を通じた母子継続ケア改善プロジェクト」の関係者11名をインドネシアのジャカルタおよび中部ジャワ州にお招きし、母子健康手帳を活用した母子保健サービスの制度化と運用について学ぶプログラムを実施しました。

母子健康手帳は、妊娠期から乳幼児期までの母子の健康記録を一冊にまとめた携帯型の健康記録ツールです。日本では戦後の母子保健向上に大きく貢献し、この日本発祥の仕組みは、母親の健康意識向上と医療従事者との情報共有を可能にするツールとして、世界各地で導入が進んでいます。

インドネシアは、JICAが母子健康手帳の国際展開を本格的に開始した最初の国であり、1993年からの30年以上にわたる協力を通じて、母子健康手帳は「Buku KIA」という名称で全国の保健医療施設で活用される制度として定着しました。成功の鍵は、母子健康手帳の使用を推奨する保健大臣令の発布で、これにより中央政府から地方政府、保健施設、地域の保健ボランティアに至るまで、あらゆるレベルで母子健康手帳を活用する仕組みを構築したことにあります。そして地方分権化が進む中でも、各州や県が独自の予算を確保し、地域の実情に応じた普及活動を展開しています。

今回の訪問プログラムでは、ネパールから保健人口省本省、州保健省・保健局、地方自治体保健課の職員が参加し、4日間にわたり集中的な学びの機会を得ました。初日にはジャカルタのインドネシア保健省で母子健康手帳の制度化と全国展開の枠組みについて講義を受け、2日目から4日目は中部ジャワ州を訪問しました。中部ジャワ州は母子健康手帳の活用による母子継続ケアの優れた実践地域として知られ、州保健局での運営管理の説明、カリアディ中央総合病院での病院レベルの活用観察、スラカルタ市とボヨラリ県での都市部と県部それぞれの運用について、具体的には保健センターでの医療従事者による記録・指導や、地域保健ポストでのコミュニティ保健ボランティアによる母親への支援活動を直接観察しました。

ネパールでは2025年から母子健康手帳の導入を通じた母子継続ケアの質の向上を目指すプロジェクトが開始されています。ネパールも連邦制に基づく地方分権化を進めており、各レベルで持続可能な制度として根付かせることが重要な課題です。今回の訪問で得られた、インドネシアの30年にわたる実践と地方分権下での運営の工夫は、ネパールの制度設計に大いに参考になると期待しています。

JICAは今後も、母子健康手帳を通じた母子保健協力を世界各地で展開し、より多くの母親と子どもたちの命と健康を守る取り組みを推進してまいります。

中部ジャワ州にて、母子手帳の実践的な運用を学ぶネパール保健人口省およびプロジェクト関係者

国立三次医療機関における母子手帳の活用方法についての説明風景

地域コミュニティに根ざした母子手帳の活用方法を学ぶ参加者

PKAT(乳幼児包括健診)を視察する参加者

【本件に関するインドネシア国内問合わせ先】

◆担当
JICA インドネシア事務所担当, 川本
TEL: +62-21-5795-2112(内線312)
Eメール: Kawamoto.Hanako2@jica.go.jp

◆副担当
JICA インドネシア事務所広報担当, プトリ
TEL: +62-21-5795-2112 (内線222)
Eメール:putrisiahaan.in@jica.go.jp

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