健康危機事例の 初期リスク評価を学ぶワークショップの開催
2024.11.05
JICA EWARSプロジェクト(感染症早期警戒対応能力強化プロジェクト)は、2024年9月25日から27日まで西ジャワ州のボゴールにおいて、保健省、世界保健機関インドネシア事務所(WHO)、およびその他の関係機関と共同で、リスクアセスメントに関するワークショップを開催しました。
本ワークショップは、インドネシア保健省の公衆衛生危機緊急時対応センター(PHEOC)や疾患別の感染症プログラム部局で働く職員を主な対象とし、リスクアセスメントやハザードカレンダーに関する講義や演習が行われました。ワークショップに先立ち、保健省、WHOおよびEWARSプロジェクトは、国際的なガイドライン等を基に、約7カ月の期間をかけ、体系的なリスクアセスメントの実施に関するガイドライン(暫定版)を作成しており、インドネシアの実情に沿ったガイドラインとなるよう、既存の感染症サーベイランス体制、現行の業務フローや意思決定のプロセス、人的・技術的なキャパシティーなどが考慮されました。作成過程において、EWARSプロジェクトは、特に、ファクトシートテーブル(アウトブレイクの脅威となりうる優先度の高い36疾患の重要事項を包括的にまとめた表)作成の中心的な役割を担いました。
ワークショップでは、JICA専門家がファクトシートテーブルを用いたリスクアセスメントについて、基本事項や理論のみならず、より実践的な内容を参加者に届けられるよう、シナリオベースの演習を組み入れたプレゼンテーションを行いました。講義は好評を博し、ワークショップ後に保健省から、プロジェクトの講義内容をまとめた動画教材作成の要望をいただいています。
リスクアセスメントに関する取り組みは、EWARSプロジェクトの重要な活動の一つであり、今後は、国レベルのガイドラインと動画教材を完成させた後、州や県レベル向けのガイドラインの作成およびプロジェクト対象州でのワークショップを実施していく予定です。
ワークショップ参加者の集合写真。
JICA EWARSプロジェクト錦専門家による講義の様子。
ガイドラインを活用しリスクアセスメントの課題に取り組む参加者の様子。
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