日本の道路維持・修繕工法インドネシアで基準化承認!-セメントアスファルト乳剤スタビライザー工法(CAE工法)-
2024.11.19
2024.11.19
2024年10月18日、酒井重工業株式会社(以下、酒井重工業社)のセメントアスファルト乳剤スタビライザー工法(以下、CAE工法)が、正式な工法としてインドネシア公共事業省道路総局 (Bina Marga) により採用された。本件は、JICAと同社が2022年度より実施中の、中小企業・SDGsビジネス化実証事業日本仕様のセメントアスファルト乳剤スタビライザー工法導入に係るビジネス化実証事業」を通じて、申請書の作成、室内試験やデモ施工を行い、インドネシア国内での基準工法として承認されたものである。
インドネシアでは、道路の舗装が早期に劣化するケースが多く、新しく建設した道路でも短い期間でアスファルト舗装表面にひび割れ等が生じるケースも存在する。その様な状況の中で、今後さらなる道路インフラの整備と道路舗装の品質向上、長寿命な道路が望まれているところ、同社のCAE工法は、舗装下部にあたる路盤にセメント、アスファルト乳剤を添加することで”たわみ性”と”剛性”を付与する事で高い耐久性のある路盤を構築する事ができる。道路舗装の寿命を延ばす優れた技術であると期待されている。本工法本工法は日本で1980年代から活用されている工法であり、既設アスファルト舗装を有効活用することで新材の使用を減らすことができ、環境に優しい技術であることが実証されている。そのため、この工法は、インドネシアにおける新たな道路維持・修繕工法としての選択肢の一つと期待されている。
本工法については、2024年8月には、チカランのPT SAKAI INDONESIA工場にて「2024年度CAE工法基準化プロジェクトセミナー」が開催された。JICAプロジェクト詳細説明、CAE工法の紹介・基準化プロセスについて報告したほか、実機でデモンストレーションを行いロードスタビライザー「PM550-s」も紹介された。 政府、官民建設会社、大学からの参加者は、道路維持・修繕工事の基礎となる路盤改良、建設効率を向上させる有効的なCAE工法に大きな関心を寄せている。
今般、酒井重工業社は、基準化に必要な申請書類として、特に効率的かつ持続可能な道路の補修修復においてインドネシアでこのCAE工法を使用するための標準となることが期待される特別な暫定仕様書(Spesifikasi Khusus)の作成も行った。その結果、CAE工法が IRBACE (セメントとアスファルト乳剤による現場リサイクルベース) 工法として承認された。
今後、この工法がインドネシアの道路建設の品質向上に適用されることが期待される。
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