インドネシアにおける国レベルの感染症サーベイランスシステム(EWARS: Early Warning Alert and Response System)のモニタリングと評価活動 第2回トライアル
2025.07.08
JICA EWARSプロジェクト(感染症早期警戒対応能力強化プロジェクト)は、2025年5月14日から16日にかけて、インドネシアの国レベルの感染症サーベイランスシステムであるEWARSのモニタリング・評価第2回トライアルをバンテン州で実施しました。本活動は、2025年2月に実施した第1回トライアル(https://www.jica.go.jp/english/overseas/indonesia/information/press/2024/1564322_53433.html)に続き、保健省と共同で行われました。
第1回トライアル後、EWARSプロジェクトは保健省およびWHOインドネシアとともに、得られた知見を踏まえ、モニタリング・評価ガイドラインの包括的な改訂を行いました。具体的には、解釈や回答に支障があった設問を見直し、より具体的で明確なガイダンスを提供できるよう、利用者マニュアルおよび準備チェックリストも併せて修正しました。また、WHOインドネシアと協力し、評価結果を可視化するためのオンラインダッシュボードを開発しました。これにより、データ解析の効率化や関係者間のデータに基づく協議の促進が期待されます。
前回の振り返りで指摘された、関係者への事前説明の充実の必要性を踏まえ、本トライアルでは、改訂版のガイドラインを用いて、より詳細な事前説明会を実施しました。現地活動では、バンテン州の州保健局、1つの市保健局(南タンゲラン市)、および2つのプスケスマス(ラワ・メカル・ジャヤとブンダ・バル)を訪問し、評価活動を行いました。インタビュー後、評価者は改良されたExcel形式のサマリーシートを用いて評価結果をまとめ、回答者へフィードバックを行いました。最終日には、関係者全員が集まり、今後のモニタリング・評価活動に関する共同提言を作成するワークショップを開催しました。また、当該活動は南タンゲラン市のインスタグラムにて紹介されました(https://www.instagram.com/p/DJvLNIoyPYl/?igsh=ZnVlbzc4ZnZjcXJx)。
第2回トライアルでは、資料の包括的な改訂と事前準備の充実により、モニタリング・評価ツールの利便性向上と評価時間の短縮が達成され、運営の効率化や活動の持続性の面でも一定の成果が示されました。参加者からは、サーベイランス強化への有用性について5点満点中5点、定期的な活動の持続性についても5点満点中4.4点と高い評価を得ました。今後、EWARSプロジェクトは、プロジェクトの終了までに、保健省およびWHOインドネシアと連携し、ガイドラインとオンラインツールの最終化を進めていきます。
バンテン州保健局疾病予防・管理部門長との会議の様子。
プスケスマス(ブンダ・バル)での評価ガイドラインを用いたインタビューの様子。
プスケスマス(ラワ・メカル・ジャヤ)での集合写真。
ラップアップワークショップの様子。
南タンゲラン市保健局でのワークショップ後の集合写真。
南タンゲラン市保健局によるInstagramへの投稿記事。
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