第3回本邦研修の実施
2025.08.05
2025.08.05
JICA EWARSプロジェクト(感染症早期警戒対応能力強化プロジェクト)は、2023年および2024年に引き続き、2025年6月8日から28日にかけて、日本にて第3回のカウンターパート研修を実施しました。本年度は、計12名(保健省職員4名、検疫所職員2名、州および県/市保健部局職員6名)が参加し、東京都、三重県、広島県で研修を行いました。
本研修の最大の特徴は、国および地方自治体のさまざまな関係機関を幅広くカバーし、多彩な講義と現地視察を組み込んでいる点にあります。東京都では、国立感染症研究所(NIID)/国立健康危機管理研究機構(JIHS)の専門家から、国レベルでの感染症サーベイランスや検査体制、緊急時対応、マスギャザリング、薬剤耐性菌対策、One Healthなどについて講義が行われました。今年度は、過去の参加者からの要望を踏まえ、新たに検疫に関する講義と羽田空港検疫所支所の視察も追加されました。また、三重県と広島県では、県の医療保健担当部局や感染症情報センター、保健所、地方衛生研究所、民間臨床検査センター、病院、大学を訪問し、地方自治体レベルにおけるサーベイランスや検査体制について実践的な知見を深めました。
さらに、東京と広島ではインタラクティブなワークショップを開催し、インドネシアのサーベイランス体制の長所と課題を見直し、研修を通じて得られた知見をもとに、今後の強化策について活発に議論が交わされました。研修の最終日には、参加者それぞれが帰国後に取り組む具体的なアクションプランを発表しました。
関係機関の多大なるご支援と、参加者の真剣な取り組みにより、第3回本邦研修は無事終了しました。参加者からは、研修目的の達成度(4.3/5)、カリキュラムの適切さ(4.4/5)、得られた知識・スキルの有用性(4.6/5)、研修管理者からのサポートの充実度(4.8/5)について、高い評価を得ました。また、帰国後すぐに、多くの参加者から職場の上司や同僚に対し研修報告を行ったという、喜ばしい知らせが寄せられました。
2025年8月1日のプロジェクト終了に伴い、今回の本邦研修が最後となりますが、JICAによる同様の研修プログラムの継続実施を希望する声が、インドネシア参加者および日本の受入機関双方から寄せられました。3回にわたる本研修を通じた知見の共有やネットワーク強化が、今後のインドネシアの感染症サーベイランスの発展や両国の連携強化に寄与することを期待しています。
NIID/JIHSの概要に関する講義
羽田空港検疫所支所訪問の様子
サーベイランス体制強化に関するワークショップの様子
三重県津保健所での講義の様子
広島市医師会臨床検査センター視察の様子
研修修了式での集合写真
scroll