CEMASTEAの指導員による算数示範授業の実施
2022.03.18
「CEMASTEA調査研究能力強化を通じた現職教員研修の質向上プロジェクト」(通称「CEMASTEAプロジェクト」)では、カウンターパートであるアフリカ理数科・技術教育センター(CEMASTEA)とともに、授業研究という手法を用いて、学校現場に根差した授業改善を目指しています。
その活動の一環として、1月20日と21日の両日、CEMASTEAの指導員たちによる「示範授業」が実施されました。20日にはプロジェクトのモデル校の一つであるオロールア初等学校の生徒を相手に、「台形の面積の求め方」をテーマにした授業が行われ、21日には別のモデル校であるカレンC初等学校の生徒を相手に、「図形パターン」をテーマにした授業が行われました。
ケニアで導入されつつある新カリキュラムで重点的に育成を目指す生徒の能力(コンピテンシー)の一つに、「批判的思考と問題解決能力」があります。しかし、従来のカリキュラムで教師主導の授業スタイルに慣れている教師の指導法を生徒中心の授業に変えるのは容易ではありません。そこで、まずはCEMASTEAの指導員が問題解決能力を養う授業とはどのようなものであるかを教員たちに示すことで、彼らに「問題解決型授業」のイメージを持ってもらい、その実践の仕方を理解してもらうことを狙いとしています。
授業後の検討会では、授業が生徒の発言を基に構成されていることに気づいたとの発言が参加教員からありました。教師は答えを説明せず、生徒に自分たちの考えを説明させる。そして生徒に議論させる中で、正しい結論へと導いていくのです。
問題に対するアプローチは必ずしも一つとは限りません。正解は一つでも、そこに至るまでのアプローチや解法は色々とあります。各生徒に個別に考えさせると多様な発想が出て来ることに、教員たちはもちろん、指導員たちも驚かされます。この、子どもの自由な発想を最大限に生かし、そして議論させ、結論へと導く。これが問題解決型授業の真骨頂です。今回の「示範授業」では、指導員たちがJICA専門家から習得したこの授業法をモデル校の教員たちに伝えることを目的としていました。
プロジェクト終了後もこうした授業をモデル校の教師たちが実践できるために、CEMASTEAによる継続的な指導が続いていきます。
CEMASTEAチーム内で示範授業の準備(学習指導案の改良)
オロールア初等学校の生徒を相手に示範授業をCEMASTEAで実施
カレンC初等学校の生徒を相手に示範授業を実施
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