2025年8月29日
渡邉 歩  岐阜県出身 2023年度1次隊 青少年活動
優しさに出会い、優しさを学んだキルギスでのかけがえのない1年8ヶ月
 
 1年8ヶ月のキルギスでの隊員活動を終えて、今、心にあるのはキルギスへのчоң рахмат(ありがとう)という深い感謝の気持ちです。
キルギスのために、キルギスの子どもたちのために何かできればという気持ちで、キルギスへやって来ましたが、実際私が与えることができたものより、与えられたものの方が多かったのではないかと思う1年8ヶ月でした。
不安な気持ちの中、任地に着いた初日からコノッコという、いわゆるお呼ばれをしてくれた配属先の所長。その後もカウンターパート、同僚、ご近所さん、カウンターパートの友達、他隊員の同僚など数多くの家にお呼ばれしました。日本から友人や家族がキルギスに訪れた際には、うちに連れておいで!と言ってコノッコをしてくれるカウンターパート。彼らのおもてなし文化を強く感じ、何度も心が温かくなりました。
 
とある日のコノッコ
 
授業の様子
活動では、拙いキルギス語を汲み取って授業に積極的に参加してくれた子どもたちに感謝しています。活動先に行くとhello!こんにちはー!とハグで挨拶してくれる子どもたちに毎日癒されていました。また2ヶ月間カウンターパートが不在になり1人で授業を担当した際には、私の代わりにキルギス語で新しく来た生徒の授業登録を手伝ってくれる上級生の生徒たち。私の変なキルギス語を分かりやすいキルギス語に翻訳して伝えてくれる付き合いの長い生徒たち。子どもたちのおかけで活動を全うすることができました。
またキルギスの伝統楽器であるコムズを習おうと音楽学校へ行ってみると、音楽学校の校長先生が日本から来たお客さんだから無料で僕が教えるよと週に2回のレッスンを1年間無料で行ってくれました。最後の演奏会ではキルギスの文化を愛し、学んで、広めてくれてありがとうと感謝状までいただきました。
 
コムズの先生と
 ありがたいことにたくさんの優しさをいただきながら活動した1年8ヶ月であり、その優しさのお返しができたらなと思いながら活動やコムズの練習に励んできました。発展途上国の地方の暮らしは決して容易なものではなく、活動も上手くいかない時期もありました。しかし、そんな中でも、キルギスの人々の温かさに支えられ、私はこの地で充実した生活を送り、活動をやり遂げることができました。
 キルギスの人々から学んだ優しさを、日本に帰ってからも教育の現場で活きるはずです。異国で暮らすことの難しさを身をもって知ったからこそ、彼らから受け取った温かさを決して忘れず、今度は私がそれを広げていきたい、そう強く思います。
 キルギスのみなさん、本当にありがとうございました!
 
キルギスの伝統帽カルパックの日のイベント
 
生徒たちと開催した日本文化紹介イベント
 
           
         
                 
                 
                 
                 
                 
                
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