【JICA海外協力隊】ラオス国立博物館 第1回 野外展示

2023.07.12

 サバイディー。ラオス国立博物館で活動中のJICAシニア海外協力隊員の上山です。
 ラオスに来てから約1年が経ちました。これから定期的に博物館での活動の様子や展示の内容について、皆さんにご紹介したいと思います。
 博物館では、ラオス国内の考古、歴史、民俗、民族などについての資料を展示しています。大昔の恐竜の化石からラオス人民民主共和国の建国に至るまでの歴史や民族などについての5つの展示室(展示室1~3のみ公開中、展示室4~5は準備中)と野外展示があります。

 まずは、建物玄関前の野外広場に展示されている「石壺(ハイヒン)」と「鉱物標本」の紹介です。
 ここに展示してある3基の「石壺(ハイヒン)」は、ジャール平原から、数十年前にビエンチャンに運ばれてきた実物です。もっとも大きなものは、長さ150㎝、幅125㎝、高さ145㎝のサイズです。
 トンハイヒン(石壺平原)は、「シェンクワーン県ジャール平原の巨大石壺遺跡群」として、2019年にUNESCO(ユネスコ)の世界遺産に登録されています。石壺は、鉄器時代の約2,500前~1500前頃にこの地に住んでいた人々によって葬式の実施のために使われたと考えられています。以前には、食料(米)や酒の貯蔵器と考える伝説も唱えられていて、石壺の正確な用途は、不明な点がいろいろとある謎に満ちたモニュメントです。
 実際に現地まで行くのは大変ですが、博物館に来ていただければ、傷つけないように注意して、実物に触ったり、石壺と一緒に自由にたくさんの写真を撮ったりできます。

 鮮やかな緑色の「鉱物標本」は、孔雀石〈マラカイト、Cu2CO3(OH)2〉と呼ばれる鉱石です。銅成分を約57.4%含んでいます。長さ130㎝、幅110㎝、高さ95㎝で、重さ1トン以上と推測されます。サワンナケート県セポン鉱山から産出しました。ラオスは、金・銀・銅・鉛・錫などの豊富な鉱物資源を保有する国として知られています。この鉱物標本は、鉱物資源国ラオスを象徴する展示品です。

 ぜひ、博物館にお越しいただき、野外展示品を「見て、触って、一緒に写真を撮って」、歴史を実感し、SNSなどで発信してみてはいかがでしょうか。

画像

画像

画像

画像

画像

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ