【JICA海外協力隊】ラオス国立博物館 第3回 展示室1
2023.08.24
2023.08.24
Study tour of elementary school students
サバイディー。ラオス国立博物館で学芸員として活動中のJICAシニア海外協力隊員の上山です。
第3回は、博物館の「展示室1」の様子を紹介します。
「展示室1」には、1中生代のラオス 2先史時代 3前ランサーン王国時代のラオスの歴史 の3セクションがあります。
今回は、前半の第1・2セクションの時代から選んだ次の代表的な展示品3点をご案内します。
まず、第1セクションは、「人類誕生以前の時代」の古生物の化石を中心に展示しています。
(1)恐竜の化石
約1億1千万年前のものとみられる恐竜の尻尾の化石が、南部のサワンナケート県で発見されています。ラオス国内の地域にも、人類誕生以前の古い時代に恐竜が棲息していたことを示す証拠です。草食恐竜の姿を想像復元した模型(木製)とともに展示しています。樹木の化石も一緒に見学できます。
Fossils of a dinosaur’s tail
Reproduced dinosaur model
次に、第2セクションは、「人類誕生後の時代」です。このうち、石器が生活のための道具として主に使われていた「旧石器時代」と「新石器時代」についての資料を紹介します。
(2)石器
世界の他地域のように、ラオスでも遅くとも数万年前には人々が継続的に生活したことが、国内で発見された石器や人骨からわかります。表面を粗く打ち欠いて作った石器は、旧石器時代に使用された古い形式の旧石器です。表面を磨いたり研いだりして作った石器は、新石器時代に使用された新しい形式の新石器です。石斧や星形の珍しい形に加工された石器(約6,000年前)などを展示しています。
Stone tools
Star shaped stone tool
(3)埋葬された人骨
埋葬された一体の実物人骨がケースに展示されています。約6000年前のものと推定され、全身の姿が想像できます。人骨は発見された現地から土ごと石こうで固めて取り上げて、博物館に運び込んで展示しています。膝を折り曲げて体を丸めたポーズを取っています。母親の胎内の子どもと同じようなポーズで再生を願ったと考える説や埋葬穴を掘る労力を少なくするためとする説などがあります。
Buried human bones
visitors watching burid human bones
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