【JICA海外協力隊】ラオス国立博物館 第8回　展示室2の紹介

サバイディー。ラオス国立博物館で学芸員として活動中のJICAシニア海外協力隊員の上山佳彦です。 2024年1月からは、土日にも開館するようになりました。 展示紹介シリーズの第8回は、「展示室2」のランサーン王国時代中期（16~17世紀頃）の展示品を案内します。

1560年、セータティラート王（写真2）は、ランサーン王国（1353年建国）の首都をシェントーン（後にルアンパバーンと改名）からビエンチャンに遷しました。隣接するビルマ勢力による侵攻に対する防御や国土の中央部でメコン川に面する平野部に立地し統治に好条件な場所であることなどの理由から、ビエンチャンが新しい都に選ばれたとされています。

ビエンチャン市街はレンガを積んだ城壁で防御され（写真3）、中心寺院のタート・ルアン（写真9）ほか多くの有力寺院も王の命により建立されました。周辺地域からさまざまな交易品も輸入されました。

ランサーン王国は、首都ビエンチャンを中心に17世紀にはインドシナ半島の中央部に位置するラオ族に率いられた民族国家として大いなる繁栄の時代を迎えました。

写真4はレンガです。最大のもので長さ27cm、幅14cm。厚さ6.5cm。16世紀頃の製品。ビエンチャン中心街は、周辺国からの侵攻から街を守るために、このようなレンガを積んだ城壁で囲まれていました。当時の城壁の遺跡も市内に一部残っています。

写真5は黄金仏像です。台座を含む仏像の高さ約15cm、幅8cmです。17世紀頃の作品。一般的には金や銀製の仏像は小型品です。仏像は、右手の指先が大地に触れそうなポーズです。悟りを邪魔するマーラ（悪魔）に打ち勝って、ブッダが完全な悟りを達成したことを「大地に証明を求める」ポーズと言われています。ラオスなど東南ジアの上座部仏教の仏像に多いポーズです。

写真6は青銅仏像です。台座を含む仏像の高さ約35cm、幅25cm。16世紀頃の作品。仏像のポーズは黄金仏像（写真5）と同じ「大地に証明を求める」ポーズです。右肩を衣で覆わない僧衣をまとった姿でブッダを表現しています。

写真7は銀製八角形容器です。高さ約16cm、幅15cm。17世紀頃の製品。神像・動物・植物などの凹凸がある豪華な装飾デザインが、高度な鍛金（打ち出し）技術によって、八面に繰り返して描出されています。

写真8は土器壺です。高さ28.5cm、幅16cm。17世紀頃の製品。水などの液体を入れた容器です。底部に台が付き、大小二重の球形胴部の上に中膨らみの円筒状の注ぎ口があるユニークな形をしています。

開館時間： 8:00～16:00（月曜日～金曜日）、9:00～16:00（土曜日～日曜日）

観覧料：ラオス人5,000キープ、外国人30,000キープ

連絡先：電話：＋856 021 212461, ファックス： ＋856 021 720099

E-mail: museuminfo.2020@gmail.com

地図：https://goo.gl/maps/DqxoKa19wzR1wR3GA