【JICA海外協力隊】ラオス国立博物館 第9回 展示室2の紹介

2024.03.25

サバイディー。ラオス国立博物館で学芸員として活動中のJICAシニア海外協力隊員の上山佳彦です(3月20日帰国済み)。

展示紹介シリーズの第9回は、「展示室2」のランサーン王国の分裂による三王国時代とシャム(タイ)による支配期(18~19世紀)の展示品を案内します。

写真1 上山隊員と大学生見学者

写真1 上山隊員と大学生見学者

(1)ランサーン王国の分裂による三王国時代とシャム(タイ)による支配期(18~19世紀)概要 【写真2】

1560年にセーターティラート王によってビエンチャンに遷都されて以来、約140年間にわたり 繁栄を誇ったランサーン王国も、次第に衰退の兆しが見られるようになりました。まず、1707年にビエンチャン王国とルアンパバーン王国に分裂しました。さらに、1713年にビエンチャン王国からチャンパーサック王国が分立し、三王国時代が始まりました。

こうしたランサーン王国の弱体化に伴い、やがて1779年には隣国シャム(タイ)の支配下に置かれました。1827年にアヌウォン王がシャムからの独立運動を行いましたが、鎮圧されて失敗に終わりました。この時、ビエンチャン市街は破壊されて焼野が原になりました。

写真2 三王国時代の地図

写真2 三王国時代の地図

(2)三王国時代(18~19世紀)の展示品 【写真3~6】

写真3は剣です。長い方は長さ約90cm。18世紀頃の作品。アヌウォン王による戦いの時にも、兵士たちはこのような武器を使ったのでしょうか。

写真4は彫刻が施された木枠の飾り板です。長さ113cm、幅45cm。18世紀の作品。

写真5はタート・ルアンの仏塔の19世紀頃の写真です。アヌウォン王の独立運動の失敗により、塔の上部が破壊されています。破壊されたビエンチャンの有り様を象徴しています。

写真6は荒れ果てたホーパケオ寺院の19世紀頃の写真です。写真5と同様に石像寺院の建物が破壊されている様子が見られます。

写真3 刀

写真3 刀

写真4 彫刻が施された木枠の飾り板

写真4 彫刻が施された木枠の飾り板

写真5 19世紀頃の塔の上部が破壊されタート・ルアンの写真

写真5 19世紀頃の塔の上部が破壊されタート・ルアンの写真

写真6 19世紀頃の破壊されたホーパケオ寺院の写真

写真6 19世紀頃の破壊されたホーパケオ寺院の写真

開館時間: 8:00~16:00(月曜日~金曜日)、9:00~16:00(土曜日~日曜日)
観覧料:ラオス人5,000キープ、外国人30,000キープ
連絡先:電話:+856 021 212461, ファックス: +856 021 720099 E-mail: museuminfo.2020@gmail.com
地図:https://goo.gl/maps/DqxoKa19wzR1wR3GA

#ラオス国立博物館 #JICA海外協力隊

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