ボランティアレポート「大家家族と私」

2024.04.08

名 前:中山 明香子
隊 次:2023-1
職 種:保健師
配属先:デッザ県病院
出身地:岐阜県

マラウイに来て7か月、デッザに来て5か月が経過しました。私は、マラウイの首都から車で2時間ほどの山の麓で保健師隊員としてデッザ県病院で活動しています。
 今回のマラウイ派遣は隊員として2度目のです。1度目は2018年3次隊でケニアにて今回と同じ保健師隊員として活動していました。しかし、コロナにより緊急帰国となり、再度受験しJOCVとして現在ここにいます。そのためアフリカには2度目となります。とはいえ、異なる環境や国民性に初めは戸惑っていました。ケニアの人と比べるとマラウイの人はあまり笑わない、警戒心が強い、そして、比較的低姿勢で謙虚であること、見返りを求めないことが多いと感じています。いずれも私が感じていることですが。
 今回は私の隣人でもある大家家族を紹介します。私が住んでいる所は、敷地内に5世帯が住んでいます。私はその中でも大家家族の隣に住んでいるのですが、日本では経験したことのないシェア文化を体験しています。なんでもシェアする文化で救われることがいっぱいです。大家は農家を営んでいるため時期になればマンゴーやジャガイモを、調理されたものであればシマはもちろん、鶏肉や野菜の煮込み料理、近所でゲットしてきたマスクといわれる果物やアボカド、親せきからもらってきた米ナスやピーマンなど。マンゴーに至っては大好きな果物上位であるにも関わらず、私自身アレルギーがあるため自分では購入しないのですが、今シーズンは毎週のようにマンゴーを食べることとなりました。幸いにもアレルギー反応はあまりなかったためよかったのですが。そして、なぜそんなにも見返りなくくれるのかと尋ねると、ここにあるものだからシェアするのは普通のことだとのこと。それは、大家家族だけに限らず職場においても同様です。自分が持っているものを快くどうぞと提供してくれる。そのやさしさに常に助けられています。
そして、食べ物だけではなく、日常においても助けてくれるのです。洗濯物を干したまま職場に行くのですが、雨が降ると畳んで取り込んでくれていたり、しばらく留守にした後、玄関先がきれいになっていたり、バウラー(七輪)の火おこしは5か月たった今も大家家族に手伝ってもらっています。
毎日のように子どもたちはわが家をノックし、遊びに来ます。外で遊んで笑っている子どもたちの声を聞くだけで癒されます。大家家族の一番下の子どもは3月現在1歳8か月。先月から私の名前を呼べるようになりました。私の姿が見えていなくても名前を呼んでいるのが聞こえてきます。愛おしく感じる瞬間です。漢字で書かれた私の名前「明香子(あかね)」を読まれることは日本でも皆無に近い。英語でも「ね」が難しいようでなかなか正しく発音できる人がいないのですが、そこはさすが子ども!すぐに発音できているのです。そのため現在は日本語を教え中です。
大家と私は同い年。そんな大家から私は家族の一員だと言われ温かく受け入れてもらっていることに感謝してもしきれません。実際には嫌なこともありますが、助けられてばかりです。今後もよい距離感でいろんなことをシェアしていけたらよいなと思っています。そして、いつか大家の農場も手伝ってみたいと思っています。

大家の家族

大家からいただいたお粥

一時帰国の際、私の荷物を運んでくれている様子

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