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ボランティアレポート「私の相棒」

2025.05.15

名前:榎本大祐
隊次:2024年度1次隊
職種:小学校教育
配属先:カゾンバ小学校
出身地:福岡県

みなさん、こんにちは。マラウイで小学校教育隊員として活動している榎本です。
今日は、私のマラウイ生活における相棒を紹介しようと思います。
私の生活に欠かせない相棒は、この自転車です。

私は小学校で活動していますが、家から活動先の小学校までは少し距離があり、毎日この相棒に乗って、30分ほどかけて通っています。また、私の家は町からも少し離れているため、買い物にもこの相棒が欠かせません。この自転車は、私のマラウイ生活においてなくてはならない存在です。

活動先の小学校

活動の様子

しかし、この相棒には、かなり癖があります。それは、故障が非常に多いという点です。チェーンが外れ、直したと思ったらハンドルがグラグラ。それを直すと、今度はブレーキの調子が悪い。その次にはチェーンが切れて……。最初に自転車を買うとき、なるべく現地の人と同じものに乗ろうと考え、一番安い自転車を購入しました。しかし、これが大誤算。購入してからというもの、毎週のようにどこかの調子が悪くなり、故障が絶えません。さらに、近所の人や同僚にも「なんでその自転車を買ったの?」「あなたの毎日の通勤路を考えたら、その自転車はよくないわ」とよく言われます。

故障ばかりで周囲の評判もよくない相棒。しかし、この相棒に乗ることは、悪いことばかりではありません。
相棒は、よく通勤中に調子が悪くなります。私の家から活動先までは自転車で30分。途中で故障しようものなら、見渡す限りの草原の中で、途方に暮れながら故障箇所と格闘するしかありません。しかし、私は自転車の知識もないため、どうしようもないことが多いのです。そんな時、毎回必ず通りすがりのマラウィアンが助けてくれます。彼らは、困っている私を見るとすぐに声をかけてくれ、自転車を修理してくれます。そして修理が終わると、「もう大丈夫だよ!」「さあ、早く行きな!」と言ってくれます。私がお礼を渡そうとしても、それすら受け取ろうとしません。時には自分の自転車の部品を交換して、「僕の家はすぐそこだから大丈夫!」と言って修理してくれた人もいました。

マラウイは “Warm Heart of Africa” と呼ばれており、人々がとても穏やかで優しいことで有名です。困っている人を見ると、すぐに手を差し伸べ、助け合って生活しています。
私の相棒はよく故障しますが、それを通して人々の優しさに気づかせてくれました。
私は今、マラウイで自分にできることは何かを考えながら生活しています。生活の中では、相棒の故障を含め多くの困難に直面しますが、そのたびに周りのマラウィアンに助けてもらいながら過ごしています。今度は私が、マラウイの人たちに何かを返せるように、今日も相棒と共に活動へ向かおうと思います。
今日の相棒は、どんな素敵な出会いに連れて行ってくれるでしょうか。

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