ボランティアレポート「マラウイでの作業療法士活動:現地の文化を学びながらのリハビリ現場」
2025.09.23
名 前:西山 亜由美
隊 次:2024年度2次隊
職 種:作業療法士
配属先:カムズ中央病院
出身地:和歌山県
こんにちは。マラウイで作業療法士隊員として活動しています。西山です。今回は私の日々の活動の中から学んだことについて紹介します。
【作業療法士ってなに?】
作業療法士という職業は、あまり馴染みがないかもしれませんが、簡単にご紹介します。作業療法士はリハビリテーションの一職種です。私たち作業療法士は、生活の中で患者さん自身が大切だと感じている活動に対して支援を行います。具体的には、食事や入浴、排せつなどの日常生活活動の練習をはじめ、家事や外出、仕事、学業などの活動もサポートします。様々な活動を通じて、患者さんの健康と幸福を促進することが私たちの役割です。
【活動内容について】
私は、マラウイの首都リロングウェにあるカムズ中央病院で活動しています。私の任務は、現地の作業療法士や作業療法を学ぶ学生に技術移転を行うことです。実習に来た学生や一緒に働く同僚に対するスーパーバイザーとして、身体機能のリハビリだけでなく、日常生活動作や家事動作の練習も実際に患者さんと一緒に行っています。主に、中枢神経系の疾患(脳卒中や脊髄損傷など)の患者さんに対する外来リハビリテーションを担当しています。
【生活様式の違いに驚き!】
作業療法を行う中で、病気を発症した後の生活の中でどのような難しさが出ているのかを患者さんから聞き取ります。その中でよく挙がる日常の活動には以下のようなものがあります。女性の場合、料理、洗濯、皿洗い、モップ掛けなどが多く、男性の場合は、仕事復帰や自宅の食料を作るためのトウモロコシ栽培、アイロンがけ、車の運転、教会に行くなどの宗教活動が挙がります。
今回は料理を例に出してみます。日本では、包丁とまな板を使って食材を切り、ガス火やIHで調理するのが一般的ですよね。週末に炭を起こしてBBQをすることもあるかもしれません。しかし、マラウイでは、まな板を使わずに食材を切ることが一般的です。火を起こすにはマッチを使い、炭や木材を使ってバウラー(日本の七輪のようなもの)で料理をします。家庭によっては、電気クッカーやガス火のクッカーを使うこともあります。
これは、トマトを包丁で切っている場面です。
日本人が豆腐を手のひらですっすっと切るように、素早く切ります。脳卒中を患って片手が自由に動かない片手が麻痺した状態の患者さんが料理をするとき、どのように支援すればいいのでしょう。日本では、まな板から釘が出ている釘付きまな板をお勧めするのがセオリーですが、マラウイ人はそもそもまな板を使った経験がない方がほとんど。まな板の上で切ろうとすると逆に不器用になったりします。
患者さんご自身が料理をしようとして試行錯誤する方が器用にできておられたりして。。。
毎日が勉強です。
こちらは木を燃やして調理する方法
こちらは、電気クッカーでの調理です。
こちらが炭を使用したバウラーでの調理の様子です。
日本に比べると多様な調理方法を使って料理をしていることが分かります。
患者さんの生活状況によっても異なるため、しっかりと聞き取りを行うことが大事ですね。
これからも、文化の違いを尊重し、現地の人々が自分らしく生活できるよう、支援を続けていきたいと思っています。
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