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ボランティアレポート 「マラウイに帰ってこられた理由 ~突然のアクシデントと感謝の物語~」

2026.03.05

名 前:濵中絃増
隊 次:2025-1次隊
職 種:障害児者・支援
配属先:Kafulu Primary School
出身地:東京都

【はじめに】
 みなさん初めまして。2025年1次隊の濵中絃増です。今回の私のボランティアレポートは2部構成となっております。少し長めの文章になっているので、お忙しい方は、【私が伝えたいこと】からお読みいただければと思います。

【突然のアクシデント】
それは、マラウイに着いてまだ1カ月もたたない出来事でした。マラウイに到着し、約1カ月間は首都リロングウェでJICA事務所のオリエンテーションを行います。そのオリエンテーションの一環にカントリーツアーというものがあり、任地や配属先に初めて赴き、同僚への挨拶や家の下見、現地の方のお宅に2泊3日でホームステイをさせていただくというイベントです。
 「配属先の方はどんな方だろうな?」「家はどんなかんじかな?」「無事に1人でたどり着けるかな?」など、ワクワクと不安が入り混じる中、私の人生初の「アフリカ一人旅」は始まりました。ドミトリーを出発する際、先輩隊員のみなさんが「蚊よけスプレーは持ったか?」「財布と携帯は忘れてないか?」など、まるで我が子を送り出すかのように声をかけてくださり、歴代隊員数No.1のマラウイならではの先輩との繋がりや、ドミトリーの良さを改めて実感しました。
 さて、「アフリカ一人旅」と書きましたが、実は私の任地は首都リロングウェにあり、もちろん初めて行く任地でしたが、ドミトリーを出発してミニバスを2本乗り継ぎ、約1時間ほどで着いてしまう場所にあります。初めての場所で不安もありましたが、大きなトラブルもなく無事に任地にたどり着き、待ち合わせをしていたホストマザーと会うことができました。
 私の配属先はKafulu Primary Schoolという学校ですが、学校の敷地内に民家が4軒ほどあり、ホストマザーはその民家に住むKafuluの教員でした。無事に到着し、ホストマザーにお昼をふるまってもらい、配属先の先生方に挨拶を行いました。その後、ホストマザーとマーケットに行って夕飯の買い物をし、帰ってきたあたりから私は体に異常を感じ始めます。
 最初は頭痛と倦怠感があり、少しベッドで横になりましたが、続けざまの嘔吐、下痢に加え、発熱もしてしまいました。すぐに事務所の健康管理員(HA)さんに連絡し、その時点では、「初めての場所で緊張などもあり、少し疲れが出てしまったな。でも、1日休めば大丈夫」と思いました。
 ただ、頭痛や倦怠感は次第に強まり、その後気がついたときには、私はマラウイの病院のベッドの上にいました。あとから聞いた話によると、ホストマザーが事務所に連絡を入れ、担当のボランティア調整員(VC)さんとHAさんが車で迎えにきてくださり、私は意識が朦朧としたまま現地の病院に入院したとのことでした。
 病院での点滴治療などを経て、38.8度まで上がった熱や嘔吐、下痢症状は落ち着きましたが、いちばん辛かった麻痺の症状が出てきてしまいます。それらの治療やリハビリ、転院などを経て、最終的に日本に一時帰国となりました。
日本に戻ってからも治療を続け、徐々に体力や筋力の低下が戻り、日常生活を問題なく送れるまでに回復した結果、約1カ月半の療養一時帰国を経て、無事にマラウイに戻って現在活動を行っています。

【私が伝えたいこと】
 長々と一時帰国から復帰までの経緯を書いてきましたが、ここで私が伝えたいことは大きく二つあります。
 一つ目は、JICAには体調を崩した際、親身になって寄り添い、サポートしてくださる現地スタッフや事務局の方々がいるということです。私が体調を崩し、マラウイの病院に入院した2泊3日間、HAさんは同じ病室のベッドで24時間体制で寝泊まりし、看病や私の体調の変化の記録をつけ続けてくださいました。VCさんや管理職など、JICAマラウイ事務所のみなさんも病室に駆けつけてくださり、私のために力を貸してくださいました。さらに、南アフリカに転院してからは、南アフリカのHAさんが日常生活のお手伝いをしてくださり、ほぼ毎日のように病院に足を運んでくださいました。日本に帰国後も、健康管理室の看護師さんをはじめ、事務局や国際協力共済会のスタッフの方が復帰までのサポートをしてくださいました。
 もちろん、「自分の健康は自分で守る」意識や行動が最も大切なのは言うまでもありません。しかし、万が一のことがあった場合には、JICAは「健康と安全」を第一にサポートをしてくださることは、今後協力隊を目指す方々にとって、大きな安心に繋がるのではないかと思います。
また、私の復帰までに力を貸してくださった多くの皆様に、この場を借りて感謝とお礼を改めて述べさせていただきます。本当にありがとうございました。
 二つ目は、待っていてくださった方々への感謝の気持ちとこれからの決意です。入院当初の痺れで意識が朦朧としている際、私は人生で初めて「自分は死んでしまうかもしれない」と命の危険を感じました。また、「もう2度と歩けないかもしれない」「もうマラウイには戻れないかもしれない」と様々なことを諦めかけた療養期間でした。しかし、ホストマザーをはじめ、配属先の同僚の先生方は常に私に連絡をくださり、体調や治療の進捗状況を気にかけ、「マラウイで待ってるよ」と励ましてくださいました。また、校長先生も事務所に連絡を入れ、私の状況を気にしてくださっていたとのことです。彼らの励ましなくしては、私はマラウイに戻る決断ができていなかったと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
マラウイに復帰後、ホストマザーや配属先の先生方と再会できた瞬間は今でも忘れることができません。みなさんが私の顔を見るなり、「Genzo!Welcome back!」とハグをし、喜んでくださいました。その瞬間、「マラウイに帰ってきて本当によかったな。待っていてくれた人のためにも、自分のできることを一生懸命頑張らなくては!」と私は心に刻みました。
最後に、今私が無事にマラウイに戻って活動できているのは「当たり前」ではなく、JICAの関係者のみなさんや常に連絡をくれたマラウイの同僚、主治医、看護師、先輩隊員のみなさん、同期隊員、日本の家族など、多くの方の支えと励ましがあったからだと強く感じています。これからは、私がいただいた支えや優しさを力に変え、活動を通し少しでもみなさんに恩返しができればと思います。また、マラウイで元気に活動できる喜びや感謝の気持ちを噛みしめ、1日1日を大切に、今まで以上に健康に気をつけて活動にあたりたいです。

写真左)南アフリカでお世話になった病院。退院時に撮りました。
写真右)現在は元気に活動しています!子どもたちの笑顔も頑張るパワーになっています!!

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