『3人の恩師との出逢いが、私をマラウイへ』
2026.09.15
タイトル:『3人の恩師との出逢いが、私をマラウイへ』
名前:久保田鈴奈
隊次:2025年2次隊
職種:小学校教育
配属先:カスング・ボマ小学校
皆さん、初めまして。
2025年2次隊、マラウイで小学校教育隊員として活動している久保田鈴奈といいます。私は、マラウイ中部に位置するカスング県のカスング・ボマ小学校で、主にStandard 7(日本の中学1年生程度)の児童を対象に、算数の指導や教員の授業改善に取り組んでいます。一クラス80~100人の児童を抱え、教科書や教具も限られている環境の中で、いかに一人ひとりが「分かる」授業をつくることができるか、日々試行錯誤を重ねています。マラウイに来て8か月が経ち、毎日のように停電や断水がある生活にも、ようやく慣れてきました。初めてのアフリカ、そして初めての一人暮らしでしたが、周りのマラウイの人々に支えてもらいながら、不安や寂しさを感じることなく生活することができています。
(写真1:自宅から学校への道)
(写真2:算数の授業後の板書)
さて、このボランティアレポートでは、私が協力隊としてマラウイに来るきっかけとなった、3名の恩師との「出逢い」について綴りたいと思います。
今回、なぜ「出逢い」について書こうと思ったのか。それは先日、相田みつをさんの『生きていてよかった』の詩集の一部、「出逢いが 人間を感動させ 感動が人間を動かす」という言葉を読んだときに、現在、私が協力隊としてマラウイで活動できているのは、3人の恩師との「出逢い」があったからだと改めて気づいたからです。
遡ると、私が「協力隊」の存在を知ったのは中学時代でした。社会科の教科書に載っていた、開発途上国で現地の人々と井戸を掘る青年海外協力隊の写真を見たことがきっかけです。不思議なことに、その写真を見た瞬間、「私も現地の人たちと一緒に働いてみたい」という憧れを抱きました。
当時、この憧れを抱くことができたのは、一人目の恩師である社会科の先生との「出逢い」が大きく関わっていたのではないかと思います。その先生は毎回の授業で、世界の貧困や飢餓、環境汚染、水・衛生、紛争などの社会課題を扱った写真を取り上げ、中学生の私たちに、日本では身近に感じることのない世界の現実を伝えようとしていました。今でも鮮明に記憶に残っています。まだ5歳にも満たない子どもが茶色く濁った水を飲んでいる姿や、紛争によって荒れ果てた瓦礫の中を一人で歩く子どもの姿など、当時の私たちにとっては衝撃的で、少し気の重くなるような写真でした。
しかし、このような世界があるという事実を知る機会がなければ、開発途上国や世界で起きている社会課題に目を向ける視点を持つことはできなかったと思います。そして、水や電気が不安定な場所で現地の人たちと生活や仕事を共にする協力隊の存在を知り、その活動に憧れを抱くこともなかったでしょう。
その後、高校へ進学し、今度はマラウイを知るきっかけとなった二人目の恩師との「出逢い」がありました。その先生は、過去にJICA教師海外研修でマラウイを訪れた経験があり、その経験を活かして、高校生とマラウイをつなぐ活動に部活動を通じて取り組んでいました。私はこの活動に大変興味を持ち、すぐに部活動の一員となり、マラウイの女性団体と関わる機会を得ました。これをきっかけに、世界最貧国の一つとされるマラウイの存在や、開発途上国に対する支援の在り方、フェアトレードの仕組みなどについて学ぶことができました。こうした学びを通して、社会課題に対する自分の見方や考え方、価値観を大きく広げることができました。そして、より草の根レベルで現地の人々と関わりながら活動する協力隊という存在が、私の中でますます大きくなっていきました。
そして私は、大学で教育学を学ぶ中で、3人目の恩師である、協力隊OBの教授との「出逢い」がありました。その教授は、10年以上前に協力隊として活動した経験があり、当時の現地での生活や活動の様子をよく聞かせてくださいました。しかし、「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、実際に現地へ行ったからこそ味わえる喜びや苦しみ、そして協力隊という立場だからこそ築くことのできる現地の人々との関わりがあるのではないかと思うようになりました。だからこそ、いつか自分自身の目で見て、耳で聞き、現地の人々と生活や仕事を共にしながら、これまで知らなかった世界に踏み込んでみたいと強く思うようになりました。
こうした3人の恩師との「出逢い」をきっかけに協力隊への応募を決意し、多くの方々に支えていただいたおかげで、私は今、協力隊としてマラウイで活動することができています。
私がこの3人の恩師との素敵な「出逢い」に恵まれたように、これからもマラウイでの新たな「出逢い」や人々とのつながりを一つひとつ大切にしていきたいと思っています。そして、これまでたくさんの「出逢い」に背中を押してもらったように、今度は自分が誰かの心を動かす「出逢い」を届けられる人になりたいと考えています。