National Biomass Conference 2023へのSATREPS OPTプロジェクト参加

SATREPS OPT プロジェクト（オイルパーム農園の持続的土地利用と再生を目指したオイルパーム古木への高付加価値化技術の開発）は、2019年にスタートした日本とマレーシアの2国間の国際共同研究プロジェクトです。本プロジェクトは2025年までの6年間にわたりパームバイオマス、特にパーム古木（OPT）の有効利用に関する研究を実施し、それを社会実装することを最終ゴールとしています。本プロジェクトでは、オイルパームの古木（OPT）のみならず、ヤシ殻（EFB）や枝葉（OPF）、パーム実繊維（MCF）等を活用した燃料用ペレット、原材料用ペレット、その他各種製品の原材料となり得るファイバーサンプルをジョホール州クルアンにあるプロジェクトのパイロットプラントで開発、製造しています。

今回、12月6－7日にマレーシア・プトラジャヤで開催されたNational BIOMASS Conference 2023において、本プロジェクトはパネルによるプロジェクトの紹介、OPTを中心としたパームバイオマスを活用したプロジェクト成果品の展示を行いました。

National BIOMASS Conferenceは、バイオマスの利用と ESG イニシアチブにおけるその極めて重要な役割についての包括的な理解を促進させ、またバイオマス資源の膨大な可能性を探求した上でバイオマスを貴重なバイオ製品に変換するための最先端技術を特定し、循環経済の機会と革新的な技術、ビジネスモデルを開発することが目的とされています。また、マレーシアのNational Biomass Action Plan 2023-2030の策定発表も行われ、ますますのバイオマス産業の活性化が期待されます。

2日間にわたりSATREPS OPTプロジェクトのブースには多くの来場者が訪問し、クルアンプラントで製造した各種バイオマスサンプルに興味を示すなど、バイオマス活用に対する関心の高さが窺い知れました。マレーシア・プランテーション・商品省大臣のYAB Dato' Sri Haji Fadillah Bin Haji Yusof（Deputy Prime Minister and Minister of Plantation & Commodities）にもブースを訪問いただき、バイオマスサンプルの紹介と本プロジェクト活動に関する説明を行いました。引き続き、プロジェクトではバイオマス活用に関わる開発・研究に取り組み、マレーシアのバイオマス産業の活性化に貢献してまいります。

（参考）
SATREPS OPTプロジェクト関係機関：
マレーシア側：マレーシア理科大学（USM）（代表機関）、マレーシアパームオイル庁（MPOB）、森林研究所（FRIM）、マレーシア標準工業研究所（SIRIM）
日本側：国際農林水産業研究センター（JIRCAS）（代表機関）、IHI、パナソニック、日新商事、出光興産、広島大学、島根県立大学、国立環境研究所