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気候変動対策に関するJICA-NRES共同技術協力プロジェクトのキックオフ会合の開催について

2025.02.20

 JICAは、マレーシア天然資源環境サステナビリティ省(NRES)と共同で、2025年2月26日にロイヤルチュラン クアラルンプールホテルにて、「マレーシア国 強化された透明性枠組み下での国連気候変動枠組条約(UNFCCC)国家報告書作成のための能力強化プロジェクト」の第1回合同調整委員会(JCC)会合を開催する。今回のJCC会合においては、プロジェクトの今後の活動計画に関して議論される。

・プロジェクトの背景・目的
気候変動は、各国が緊急性を持ち取り組むことが求められる、世界の主要な課題の一つである。2015年には、気候変動問題に対応するためパリ協定が採択され、強化された透明性枠組み(ETF: Enhanced Transparency Framework)が設立された。この透明性枠組みにおいては、途上国を含む全ての締約国は隔年透明性報告書(BTR: Biennial Transparency Report)を提出することが求められている。隔年透明性報告書には、国家インベントリ報告書(NIR: National Inventory Report)、国が決定する貢献(NDC: Nationally Determined Contribution)の進捗状況、政策・措置、能力開発ニーズなどの情報を含める必要がある。

特にマレーシアを含む途上国にとっては、以前よりも厳しい報告義務に対応する必要があることから、パリ協定下の透明性枠組みへの移行には困難を伴う。マレーシアでは、この困難への対応として、NRESの下に国家温室効果ガスセンターを設立し、2024年12月31日に最初の隔年透明性報告書を提出することに成功した。しかし、マレーシアが今後、より効果的でかつ質の高い隔年透明性報告書を提出していくためには、継続的な改善が不可欠である。

2024年10月に開始した本JICA-NRES共同プロジェクトは、マレーシアの隔年透明性報告書作成能力の強化、温室効果ガスインベントリの定期的な作成のための国家能力の強化、フッ素系ガス排出量の算定能力の強化を目的としている。本プロジェクトは2027年10月まで継続される。

・第1回JCC会合前のワークショップ
第1回JCC会合に先立ち、JICA専門家により、複数のワークショップが2024年12月に開催された。ワークショップでは、温室効果ガスインベントリの作成、国が決定する貢献の追跡、フッ素系ガス排出量の計算方法などに関するトピックが取り上げられた。ワークショップには、NRESやその他の関連ステークホルダーなどの多くのメンバーが参加し、日本の経験などから学ぶ機会を得た。今回のJCC会合で正式に合意がなされた後、さらなるワークショップがプロジェクト期間に開催される予定となっている。

お問い合わせ先
JICA長期専門家
粕谷泰洋
yasuhiro.kasuya.jica1▲gmail.com
※▲を@に変換願います。

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