気候変動対策に関するJICA-NRES共同技術協力プロジェクトのキックオフ会合が開催されました
2025.03.11
2025.03.11
2025年2月26日、JICAはマレーシア天然資源環境サステナビリティ省(NRES)と共同で、「マレーシア国 強化された透明性枠組み下での国連気候変動枠組条約(UNFCCC)国家報告書作成のための能力強化プロジェクト」の第1回合同調整委員会(JCC)会合を開催しました。本プロジェクトは、パリ協定で設立された強化された透明性枠組み(ETF: Enhanced Transparency Framework)への移行の支援を目的としており、マレーシア国の気候変動対策を支援するとともに、両国の協力関係のさらなる深化が期待されています。
JCC会合では、本プロジェクトの枠となるワークプランが合意され、これから正式に活動が始まります。Yahati binti Awang NRES副事務次官は、JICAによる数十年にわたるこれまでの技術協力やインフラ整備事業等を通じたマレーシアへの協力への感謝を示し、これから開始する本プロジェクトはマレーシアが気候変動の文脈での国際的義務を満たすために重要な役割を果たすと述べました。
また、菅原JICAマレーシア事務所長は、JICAも2023年にサステナビリティ方針を発表し、2030年までのJICA自身の組織のカーボンニュートラル達成や、全新規事業をパリ協定に整合する形で実施することを目指していることに触れ、本プロジェクトが同目標達成のための重要な貢献策の一つであるとし、マレーシア国の気候変動関連の技術的・制度的能力の強化に繋がることへの期待を表明しました。
本プロジェクトは2027年10月まで継続され、透明性枠組みへの移行やフッ素系ガス排出量の算定に関連するワークショップなどを通した技術支援が実施される予定となっています。
プロジェクトの詳細:
2015年に採択されたパリ協定では、新たに強化された透明性枠組み(ETF: Enhanced Transparency Framework)が設立され、途上国を含む全ての締約国は、温室効果ガスインベントリ関連の情報を含む隔年透明性報告書(BTR: Biennial Transparency Report)の提出が求められています。本プロジェクトでは、マレーシアの隔年透明性報告書作成能力の強化や、温室効果ガスインベントリの定期的な作成のための国家能力の強化、及びフッ素系ガス排出量の算定能力の強化を目指しています。
JCC会合での議論を踏まえ、今年は、セクター別及びフッ素系ガスの温室効果ガス排出量算定や炭素市場に関するワークショップの開催、訪日研修などが予定されています。また2月25日には、JCC会合の開催に先立ち、国が決定する貢献(NDC: Nationally Determined Contribution)の追跡や廃棄物分野の温室効果ガス排出量算定に関するワークショップも実施されました。
JICAは、今後もマレーシア政府と緊密に連携し、本プロジェクトの成功に向けて努力を続けていきます。
お問い合わせ先:
JICA長期専門家 粕谷泰洋
yasuhiro.kasuya.jica1▲gmail.com
※▲を@に変換願います。
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