【草の根技術協力】エコセンターを中心とした環境保全活動をジョホールバル市で推進

2024.06.11

 京都市環境保全活動推進協会(KEAA)による支援活動により、ジョホールバル市に設立された環境保全活動推進のための拠点施設、Sudut Lestari (通称エコセンター)が、2024年2月に開館1周年を迎えました。エコセンターには開館以来4500人(2024年3月末時点)以上の市民が来館し、展示物の案内、来館者向けプログラムやイベント実施など脱炭素社会実現に向けた活動を活発に進めています。来館者からは「このような楽しくて活発な図書館は見たことがない。このようなエコセンターの機能を備えた図書館がもっと増えてほしい」という声が寄せられています。

       エコセンター専門職員

     園児と引率教員に応対する専門職員

 KEAAとJICAは、マレーシアのジョホールバル市でJICA草の根技術協力事業「ASEANのモデルとなる脱炭素社会実現に向けた人材育成とネットワーク拠点の機能強化プロジェクト」を2021年10月から2025年1月までの約3年4か月間の期間で実施しています。この事業では、KEAAが持っているエコセンター運営や環境保全活動実施などの知見や経験をエコセンターへ移転すべく、主にマレーシアや日本で研修を行ってきました。その結果、エコセンターのプログラム開発、ボランティア育成、環境イベント支援などの役割を担う専門職員が18名育成され、彼らが中心となり、エコセンターを拠点に環境保全活動が推進されています。
 2024年5月には、草木染によるエコバッグ作り、イオンモールでのリサイクル展示会とプラスチック製品の回収、ごみ拾い、そして本のリユースと子供たちへの学習支援を目的としたイベント「Let’s Read」など、様々な活動がエコセンターの専門職員らの支援で行われました。また、エコセンターではボランティア育成にも力を入れています。2024年4月末時点で39名のボランティアが専門職員により育成され、来館者の受入やエコセンター内外での環境イベント開催のサポートなどを行っています。

     草木染によるエコバッグ作り

  イオンモールでのリサイクル展示と回収

 今では、マレーシア国内に限らず海外の自治体からも、エコセンターを拠点とした地域や学校での環境教育・環境保全活動に多くの関心が寄せられています。2023年11月と2024年3月にKEAAがジョホールバル市で実施したジョホールバルの環境保全活動を学ぶ研修には、ジョホールバル市以外のマレーシア国内とタイ、ベトナム、インドネシアなどASEAN諸国の自治体職員が参加しました。またサラワク州カピット郡からの強い希望により、6月17日~21日にはジョホールバル市にて、同郡の自治体職員や郡議員など約20名に対し、エコセンター設立や運営のノウハウ、学校やコミュニティでの環境活動などについて研修を行う予定です。

  Century Garden エリアでのごみ拾い

       Let’s Read イベント

 これらの活動の功績が評価され、5月11日、マレーシア景観建築賞行政機関部門でエコセンターがグリーンイニシアティブ賞を受賞しました。

  専門職員とグリーンイニシアティブ賞

      グリーンイニシアティブ賞

 プロジェクト終了も残り7か月余りとなりました。エコセンターの専門職員のさらなる能力の向上に加え、ジョホールバル市での活動の成果がうまく国内外の自治体へも広がっていくよう、人材育成と各自治体にあわせた仕組みづくりを進めて参ります。

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