【女子更生保護施設で環境教育を実施:未来を育む学びの場】
2025.12.23
2025年12月4日(木)、マレーシア・クダ州ジトラにある女子更生保護施設(実際には日本で言うところの児童養護施設に似た性質を持ち合わせている場所)「アスラマ・アフラ・プルンプアン・ジトラ(AAPJ)」にて、入所中の子どもたちを対象に環境教育イベントを実施しました。
本活動は、子どもたちに環境問題について深く学ぶ機会を提供し、環境意識の向上と実践的な行動力の育成を目的としています。サバ州で活動する早川史織隊員(林業・森林保全)、マラッカ州の渡邊瞳隊員(環境教育)、クダ州の米田孝利隊員(環境教育)にご協力いただき、充実した内容となりました。
イベントでは、座学とワークショップを組み合わせ、多角的に環境について学びました。
(1) 座学・プレゼンテーション
1-1 日本語で自己紹介
-子どもたちは、これまで学習した日本語で名前、年齢、好きな食べ物を発表しました。
1-2 マレーシアの自然環境(早川隊員)
-サバ州の豊かな自然をクイズ形式で紹介。国鳥サイチョウ、マレーグマ、ボルネオゾウなど、固有種について学びました。
-伐採や農業開発による自然環境の減少という現状も共有されました。
1-3 アップサイクルと日本の文化(渡邊隊員)
-アップサイクルの概念と、日本に伝わる風呂敷文化を紹介。
-実演として、トゥドン(ヒジャブ)を使った「真結び」や「エコバッグになる結び方」を披露。子どもたちも実際にトゥドンを使って挑戦しました。
1-4 ごみ問題と3R(米田隊員)
-マレーシアで年々増加するごみの量、廃棄物処理場の現状について解説。
1-5**3R(Reduce, Reuse, Recycle)**の重要性と、具体的なごみの分別方法を紹介しました。
(2) ワークショップ:手を動かして環境を考える
2-1再生紙(シードペーパー)作り
2-2 ペットボトルの蓋を使ったキーホルダー作り
-刻んだ蓋を好きな色で選び、クッキングシートに挟んでアイロンで熱し、冷まして平らにする工程を体験。
- 子どもたちは説明を真剣に聞き、完成したキーホルダーを喜び、友達同士で見せ合う姿が見られました。
子どもたちの反応と活動の意義
アンケート結果:
実施後のアンケートでは、「楽しかった」「エコバッグを使いたい」という前向きな声が多数寄せられました。
-実践したい環境行動(施設生活の制限がある中で):
ごみの分別、食品ロスの削減
-興味のあるキーワード:3R、森林保全、プラスチック、ごみ削減
-自由記述 :
「環境問題のことをもっと知りたい」「隊員の〇〇さんにまた来てほしい」「またキーホルダーを作りたい」
また、イベント後に日本の地震を心配し、家族の安否を尋ねる子どもが複数おり、今回の交流を通して日本への関心と温かい心を寄せてくれたことが伺えました。
活動に込めた思い
私が任地でごみ分別や森林伐採の問題を目の当たりにし、施設内での子どもたちのごみや物の扱いに対する意識を観察したことが、本テーマを選んだきっかけです。施設内での教育機会が限られている子どもたちには、継続的な環境教育の機会が必要だと感じました。
この活動を通じ、子どもたちが日常生活の中で環境を意識し、ごみ分別やプラスチック削減といった身近な行動を実践する力を育成することも大きな目的です。
感謝と今後の展望
本イベントは、施設職員の細やかなご協力と、環境隊員による充実した発表・ワークショップのおかげで成功を収めることができました。心より感謝申し上げます。
隊員との交流は、子どもたちに「日本に行きたい」「日本で働きたい」「日本語をもっと勉強したい」といった新たな希望を与えました。今回の隊員との交流、友達と考え学んだことが、いつの日か思い出して彼女たちの生きる力となることを願っています。そして、自然や身近な人への感謝の心を持ち続け、思いやりのある人になり、社会に貢献できる人へと成長してくれることを期待しています。
2023年4次隊(青少年活動) 原田美智子
※個人情報保護のため、入所者の顔には加工を行っています。
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