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地域概況

中東

2つの紛争と混迷する地域情勢

中東地域では、「アラブの春」後の混迷が依然続いています。イエメンやシリアでの内戦の長期化、シリア周辺国での難民の固定化、気候変動による水不足の深刻化など、複合的な危機が顕在化しています。また、2023年10月に発生したパレスチナ・ガザ地区での武力衝突により、同地区で甚大な被害が生じ、周辺地域への影響が懸念されています。

迅速で中長期的な協力を目指して

こうした背景の下、2023年度は、「複合的危機に対応する戦略的支援の遂行」と、「日本の開発経験や日本らしさの共有の推進」を柱に、迅速かつ中長期的な視点で協力を展開しました。

中東地域では、ガザでの武力衝突を受け、ガザ地区向けにテント、毛布、医療用消耗品、食料キットなどの物資を供与しました。イラクの石油精製事業の継続に加え、チュニジアでは給水分野での協力を進め、エジプトでは国民生活の基盤となるカイロ市の地下鉄整備を推進しました。また、複数の国で、重要な収入源である観光の振興にも協力しました。

そのほか、域内7カ国でJICAチェアを実施、知日派・親日派の育成に貢献しました。さらに、ウクライナやトルコと東北地方の関係者をつなぎ、東日本大震災の復興経験を学ぶ機会を提供しました。