jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

税務行政強化プロジェクト

JICAはモンゴルの市場経済体制移行を支援する協力の一環として、1998年より徴税制度構築や納税者情報システム構築など、モンゴル国税庁の機能強化に向けた枠組み作りを支援して来ました。特に、2006年からはこれまでの協力の集大成として、先の開発調査にて策定した「短期行動計画」に基づいた人材育成体系及び研修システムの実施支援、ならびに公平かつ公正な徴税業務の実現にかかる技術移転、納税者サービスの向上に向けた知的支援の3つのコンポーネントから構成される技術協力プロジェクト「税務行政強化プロジェクト」を2008年まで実施しました。

国税庁税務検査官のキャパシティビルディング

「税務行政強化プロジェクト」の中では様々な成果を挙げ、プロジェクト目標をほぼ達成したことが2008年6月に実施された終了時評価により確認されました。しかしながら、プロジェクトの上位目標「モンゴル国における税務行政が適正かつ公正に執行される。」および「納税者のコンプライアンスが改善され申告水準が向上する。」を達成するためには以下の課題が残っていることも確認されました。

  • 経済が発展し、企業設立数が格段に増えている中、検査官を効率的に配置し、かつ効果的な検査を実施するためには検査対象者の選定方法を定める必要があること。
  • 検査対象者の選定方法を決めるうえで、納税者管理をより改善する必要があること。
  • 上記方策を実施するうえで、検査官が効率的・効果的に、課税、徴収、滞納整理、納税者対応といった一連の業務を、継続的に高いレベルで習得する必要があること。
  • 国税庁研究・研修センターの機能を強化するうえで、研修講師の指導力の向上が欠かせないこと。

上記の問題点を踏まえ、モンゴル国税庁の自立発展的な努力を促進し、検査技術とその運用体制が整備されることを目的に2008年からは日本においてモンゴル国税庁の税務検査官に対する研修を行っています。

(実施期間:2008年〜2010年)

税務行政強化プロジェクト・フォローアップ

2008年まで実施された税務行政強化プロジェクトの3つ目のコンポーネントには租税教育が含まれ、短期専門家による助言に基づき、小学校用見本教材が作成されましたが、本プロジェクト終了時では中学校レベルの教材開発、更にはそれらを用いた学校での租税教育の導入までには至っていませんでした。プロジェクト終了後、国税庁による継続的な働きかけにより2009年には租税教育を実施するためのワーキンググループが国税庁と教育文化科学省の共同で結成され、同ワーキンググループの下で「将来の納税者プログラム」を策定しました。本プログラムの枠内で日本の租税教育制度及び教材・マニュアルを参考にモンゴルの現状にあった租税教育の教材や授業プログラムを策定することを予定し、その活動の支援としてJICAに対してフォローアップの要請がありました。

フォローアップ事業の具体的な内容は、まず、6つの学校を対象に租税教育にかかる試行授業を行い、本試行授業の結果を踏まえて、基礎教育5年生、9年生、11年生のための教材や教員マニュアルの原稿を国税庁職員及び教員が共同で開発しました。これら教材・教員マニュアル原稿の作成にかかる経費は国税庁が負担しましたが、印刷費をJICAのフォローアップ事業で支援し、今年の新学期が始まる9月1日より先立って学校の社会学を教えている先生達や生徒達の手元に届けました。租税教育の導入により、子どもの頃より、市民の間での税に対する認識が深まり、その意義をより良く理解してもらうことを通じて、モンゴルの申告納税制度の更なる機能の充実に資することが期待されています。

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2010年8月18日
教育・文化・科学省、国税庁、JICA側から各県から集合した社会学の先生達に教材の引き渡しを行いました。

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印刷した教材、教員マニュアル、ポスターなど