JICAモンゴル事務所は、モンゴルが抱える開発課題の解決と、モンゴル社会経済の発展、モンゴル国民の幸福の実現に向けて、モンゴル及び日本の関係者の皆様からご支援を得て効果的な協力を実施し、貢献していきます。
モンゴルについて
モンゴルには日本の約4倍の面積に約350万人が居住しています。その約半数が住んでいる首都ウランバートルは、いわゆる大草原などのイメージとは異なる、高層ビルが立ち並び、市民が通う地元の市場などでも、買い物はほぼすべて電子決済で済むなど、日本よりも進んでいる面もあります。
また、日本語の学習熱が高く、人口当たりの日本への留学生数が世界の中でもトップクラスで、留学後に各界で活躍されている方も沢山おられ、日本語で話しかけられることもよくあります。平均年齢は30歳未満でとても若く(日本は40代後半)、そして豊富な自然・鉱物資源もあり、近年目覚ましい経済成長を遂げており(一人当たりGDPは約6,000ドル)、更なる発展のポテンシャルを秘めた活力溢れる国です。
一方で、ウランバートルでは急激な発展と都市化により、交通渋滞、大気汚染、貧困家庭の増加、学校・教員の不足といった、人口の一極集中や近代化に伴う都市問題が深刻化しています。また、中国とロシアという大国に挟まれた内陸国であり、脆弱な経済インフラ・産業構造、地域格差、基礎的社会サービスの不足といった国全体の課題もあります。
JICAによるモンゴルとの協力
モンゴルにおける経済協力は1977年のゴビ・カシミヤ工場建設に関する無償資金協力に始まりました。JICAによる協力は、1984年度に専門家派遣を開始し、1990年のモンゴル民主化、市場経済化以降に本格化し、1992年に最初のボランティア派遣、1997年には首都ウランバートルに事務所を開設しました。政治的混乱、経済的苦境の時期に日本が行った協力に対して、モンゴルの人々からは、今でも感謝を示されることが多く、日本に対する厚い信頼を感じます。
現在では、30名を超える事務所スタッフと、日本人専門家やボランティアを含めると100名近い関係者が、マクロ経済運営、行財政のガバナンス強化、産業の多角化、インフラ整備、環境、保健、教育、障がい者支援等、多岐にわたる分野で、技術協力、資金協力、民間連携、市民参加協力等の事業に精力的に取り組んでいます。
これからもモンゴルや国内外のパートナーと共にモンゴルの開発課題解決に向けた取り組みを促進するとともに、一人でも多くの方々にモンゴルの魅力を知っていただけるよう、モンゴルと日本のより一層の関係強化に努めてまいります。皆様のご支援・ご協力を賜れれば幸いです。
2024年11月
JICAモンゴル事務所長
宮城 兼輔
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