JICAナミビア事務所、設立20周年を記念し日・ナミビア協力の歩みを祝う
2026.06.17
国際協力機構(JICA)ナミビア支所は設立20周年を迎え、日本国政府とナミビア共和国政府との間で築かれてきた、持続可能かつ包摂的な開発に向けた20年にわたる協力関係を祝いました。
記念式典には、ナミビア政府高官、外交団、開発パートナー、学術機関、市民社会組織、元JICA海外協力隊員、JICA関係者などが出席し、過去20年間の成果を振り返るとともに、ナミビアの将来の発展に向けた共通の決意を新たにしました。
開会挨拶で、JICAナミビア支所の星野明彦支所長は、この節目について「本日記念する素晴らしい歩みを形づくってきた多くの人々の献身と努力、そしてパートナーシップ、友情、信頼を祝うものです」と述べました。
また、1990年の日本とナミビアの外交関係樹立に始まる両国の長年にわたる友好関係を振り返るとともに、2006年3月のJICAナミビア支所開設と青年海外協力隊(JOCV)事業の開始によって、その関係がさらに強化されたことを紹介しました。
星野支所長は、「この20年間、JICAは持続可能で包摂的な開発という共通のビジョンのもと、ナミビア政府とともに歩んできました。人間の安全保障と質の高い成長の推進という使命に導かれ、単にプロジェクトを実施するだけでなく、人材育成、制度強化、そして新たな機会の創出に取り組んできました」と語りました。
式典では、運輸・物流、農業、教育、人材育成、地方行政など幅広い分野におけるJICAとナミビア政府との長年の協力が紹介されました。
特に、ナミビアを地域物流拠点へと発展させることを目指した「国際物流ハブ・マスタープラン実施プロジェクト」が主要な成果として取り上げられました。この取り組みは地域間の物流・貿易ネットワーク強化に大きく貢献するとともに、トランス・カラハリ国境におけるワンストップ・ボーダーポスト(OSBP)の運用実現を後押しし、南部アフリカ開発共同体(SADC)地域へのゲートウェイとしてのナミビアの役割を強化しています。
また、北部ナミビア小規模農家生計向上プロジェクト(N-SHEP)を通じた農村開発への貢献も紹介されました。同プロジェクトは、小規模農家が市場志向型農業を導入し、生産性向上と世帯所得増加を実現できるよう支援しています。
人材への投資は、JICAによるナミビア協力の中心的な柱であり続けています。2026年4月時点で、青年研修、国別研修、長期研修・奨学金プログラムなどを通じ、累計618人のナミビア人が能力強化事業に参加しました。これらの機会を通じて、専門職、公務員、若手リーダーらが貴重な知識と技能を習得し、国内の組織や地域社会の発展に貢献しています。
さらにJICAは、ナミビア科学技術大学(NUST)と連携し、「雇用力向上プロジェクト(EIP)」を実施してきました。このプロジェクトは若者の就業能力向上を目指すもので、その対象は大学から全国の職業訓練センターへと拡大しています。最近では、オカカララ、エナナ、ルンドゥの各職業訓練センターへ雇用力向上研修キットが寄贈され、質の高い技能開発へのアクセス拡大につながっています。
日本とナミビアの友情を象徴する最も息の長い取り組みの一つが、青年海外協力隊(JOCV)事業です。2006年以降、177人の隊員がナミビア全14地域に派遣され、35のコミュニティにおいて29分野の専門知識を活かして活動してきました。教育、職業訓練、地方行政、観光、自治体サービスなど幅広い分野でナミビアの発展を支援するとともに、文化交流や人と人との絆の深化にも貢献しています。
ナミビア国家計画委員会(National Planning Commission)のアイベン・ナシャンディ事務局長は挨拶の中で、日本が過去20年間にわたりナミビアの発展に果たしてきた重要な役割を高く評価しました。同氏は、技術協力、無償資金協力、奨学金事業などを含む日本の開発協力総額が約800億ナミビアドルに達し、インフラ計画、農業生産性向上、教育、地域社会の能力強化を支えてきたと述べました。
また、麻妻信一在ナミビア日本国大使は、今後もナミビアの発展を支援していく日本の姿勢を改めて表明しました。特に、物流分野の強化におけるJICAの技術協力の重要性を強調するとともに、グリーン水素、重要鉱物資源、石油・ガス産業といった新たな成長分野での機会を最大限に活用できるよう支援していく考えを示しました。
今回の記念行事では、この20年間にわたりJICA事業を支えてきた歴代および現役のJICA専門家、青年海外協力隊員、日本人・ナミビア人の支所スタッフの貢献にも敬意が表されました。
締めくくりにあたり、星野支所長は、ナミビアにおけるJICAの歩みを支えてきたすべての関係者への感謝を述べました。
「私たちは今日、20年間の協力だけでなく、20年間にわたり築いてきた信頼を祝っています。組織と組織の間に築かれた信頼。政府と政府の間に築かれた信頼。そして何より、人と人との間に築かれた信頼です。」
JICAナミビア支所は次の20年に向けて、今後もナミビア政府および国民とともに歩みながら、持続可能な開発の推進、人間の安全保障の強化、そしてJICAのビジョンである「信頼で世界をリードする」のもと、ナミビアと日本の揺るぎない友好関係をさらに深めていくことを誓いました。