JICA海外協力隊員による古紙アップサイクルプロジェクト~もったいないを減らしたい!最後まで使う・再利用する~
2025.11.20
パラオでは、ゴミの分別に関する教育が十分に行われておらず、リサイクル可能な資源も一括して廃棄されることが多い状況です。その結果、日本の支援で建設された最終処分場が想定より早く満杯になる可能性があるという課題が生じています。
このような課題がある中、JICA草の根技術協力事業「バベルダオブ島における分別排出システムの普及促進事業」では、2025年2月からバベルダオブ島にある小学校で、紙・プラスチック・金属の分別箱を設置し、児童にゴミの分別を習慣づける活動を始めました。しかし、マルキョク小学校で小学校教育隊員として活動する伊藤理沙隊員は、紙類はパラオ国内でリサイクルできないため、分別のメリットを感じにくい現状があることを懸念していました。そこで今回、古紙を使った紙漉き体験を導入。児童は自分たちが捨てていた紙を再利用し、メッセージカードなどに生まれ変わらせることで、紙を大切にする意識を高めることにしました。
この活動実施にあたっては、神奈川県鎌倉市の有限会社スープが技術協力し、紙漉きの工程や指導のポイントを教えていただきました。(https://www.instagram.com/p/DPN5oZPkTRp/?igsh=Mm9oN2RiOGd6ZTh2)。
また、紙漉き道具は公益財団法人東芝国際交流財団の助成により、特定非営利法人沖縄平和協力センターから寄贈されました。
11月6日(木)、11月10日(月)の2日間にマルキョク小の1~3年生が紙漉きを行いました。児童たちは楽しみながら古紙のアップサイクルを体験し、サンクスギビングやクリスマスに向けて、手作りのカードを家族に贈る準備を進めています。
このプロジェクトは、単なるリサイクル活動にとどまらず、子どもたちの「ものを大切にする心」を育む第一歩です。伊藤隊員は、今後も、持続可能な社会づくりに向けた教育活動を広げていきたいと考えています。
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