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国家電力システム効率改善事業

プロジェクト名

(和)国家電力システム効率改善事業
(英)Project for Improving Efficiency of the National Electric Power System

対象国名

パラグアイ共和国

署名日(実施合意)

2021年8月18日

プロジェクトサイト

アルトパラナ県イグアス市からコルディジェラ県バレンスエラ市の約 210km 区間、及びアスンシオン市内

協力期間

2021 年 8 月~2026 年 12 月

相手国機関名

(和)パラグアイ国営電力公社(ANDE)
(西)Administración Nacional de Electricidad (ANDE)

背景

パラグアイ共和国(以下、「パラグアイ」という。)は、2011年~2017年にかけて平均4.5%の実質GDP成長率を記録し、電力需要は2011年~2018年にかけて年平均7.0%増加してきた(2018年の最大電力需要は3,226MW)。本事業の実施機関であるパラグアイ国営電力公社(以下、「ANDE」という。)は、パラグアイの発電・送配電施設の整備及び運営・維持管理を一括して所掌している。ANDEが2019年に作成した2030年までの長期計画は、平均電力需要増加率を7.7%とし、2030年には電力需要が既存発電設備容量(約8,810MW)を超えるとしている。なお、パラグアイも世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済減速を受けて、ANDEが長期計画を見直すことが見込まれるものの、今後も電力需要が増加傾向にあることは変わらない見込み。

ANDEによる電力事業は効率性に課題をかかえており、中でも、パラグアイ電力需要の58%を占めるアスンシオン首都圏への送電、電力安定供給の非効率が最大の課題である。ANDEの電力調達先はイタイプ・ヤシレタ両二国間公団であり、両発電所からの電力はアスンシオン首都圏北部のビジャ・アジェス変電所までそれぞれ500kV送電線により送電され、首都圏電力需要のほぼ全量が同変電所から220kV送電線を通じて送電されている。同変電所を経由しない首都圏への高圧送電ルートは他に存在せず、首都圏の電力需要の伸びにより同変電所への過負荷が生じており、その結果、首都圏の停電回数は近年増加している。また、中圧(220kV)での首都圏への長距離送電網は繋がってはいるが、送電ロスが大きく効率性が悪い。

また、現在はパラグアイの電力はほぼ全量を安価な再生可能エネルギー(水力)により供給されているものの、首都圏の停電回避など、電力の安定供給体制の強化及び将来にわたっての需給均衡を保つためには、電力消費を低減する省エネ設備の導入を行い、電力システムの効率性を向上する必要性がANDEにおいて認識されている。

本事業は、パラグアイ東部に500kV送電線(イグアス~バレンスエラ)を整備するとともに、アスンシオン市内の街灯及び公共施設の照明器具や空調設備等を省エネ機材に交換することにより、国家電力システムの効率性を改善するものである。

目標

プロジェクト目標

本事業はパラグアイ首都圏に電力を供給する基幹送電線を建設することで首都圏への安定的かつ効率的な電力供給を図るとともに、公共施設に電力効率の高い設備を導入することで省エネ促進を図り、もって電力システム全体の効率性を改善することを通じてパラグアイの持続的経済発展に寄与するもの。

事業内容