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シウダ・デル・エステ都市圏上下水道整備事業

プロジェクト名

(和)シウダ・デル・エステ都市圏上下水道整備事業
(英)Project for Water and Sanitation for the Metropolitan Area of Ciudad del Este

事業

有償資金協力

課題

水資源・防災

対象国名

パラグアイ共和国

署名日(実施合意)

2020年8月27日

プロジェクトサイト

アルトパラナ県シウダ・デル・エステ都市圏 (シウダ・デル・エステ市及びプレシデンテ・フランコ市)

協力期間

2024年5月~2030年5月

相手国機関名

(和)公共事業・通信省上下水道局(MOPC-DAPSAN)
(西)Ministerio de Obras Públicas y Comunicaciones (MOPC), Dirección de Agua Potable y Saneamiento (DAPSAN)

背景

パラグアイ共和国(以下、「パラグアイ」という。)では、全国の上水道普及率は78%、下水道普及率は11%、下水処理率は2%に留まる(パラグアイ衛生事業管理規則院(2017年))。地域間格差も大きく、パラグアイ東部のアルト・パラナ県の上水道普及率は39.7%、下水道普及率は2.3%、下水処理施設はなく、上下水道サービスの普及が低水準に留まっている。

事業対象のシウダ・デル・エステ都市圏はブラジル及びアルゼンチンと国境を接し、アルト・パラナ県の人口の約70%が居住するパラグアイ第二の都市圏である。同国の国勢調査では都市圏人口は増加傾向にあり、人口増加に伴う水需要の増加や生活環境の悪化が見込まれている。しかしながら、シウダ・デル・エステ都市圏にて一部給水サービスを提供するパラグアイ衛生サービス公社(ESSAP)の既存の浄水場は老朽化し、管轄内の約11%が1日12時間未満の給水サービスとなっている。また、乾季には水源であるレプブリカ湖の水量が30%ほど減少する問題を抱えている他、ESSAPの他に250を超える民間の給水業者がおり、その約71%がERSSANの水質基準を満たしていないなど、給水サービス全体の質や効率の低さが課題とされている。更に、既存上水施設の電力コストは施設老朽化や電気料金の値上げの影響により、直近の2年間で約1.5倍に増加している。ESSAPのエステ都市圏既存上水施設における電力消費は支出の約8.8%で、人件費や間接経費の次に大きい割合を占めている。かかる状況下、拡大する水需要及び悪化する生活環境に対応し、電気コストなどが削減された上下水道サービスを効率的に提供することが喫緊の課題とされている。

パラグアイ政府は「パラグアイ国家開発計画2030(Plan Nacional de Desarrollo Paraguay 2030)」において「貧困削減及び社会開発」実現のための戦略の一つに「国民の一定の生活水準の確保、改善、持続」を挙げ、具体的な目標として万人による水へのアクセスと改善された衛生サービスへのアクセスを挙げている。シウダ・デル・エステ都市圏水及び衛生事業(以下「本事業」という。)は、同国の水・衛生セクターにおいて重要事業として位置づけられている。同政府は、2051年までに6期に渡るシウダ・デル・エステ都市圏の上水道サービス改善及び下水道整備を行う方針であり、本事業はその第1期に位置付けられ、シウダ・デル・エステ都市圏を構成する4市のうち2市を対象とする。第2期以降では全4市を対象にサービスを拡大する計画となっている。

事業目的

本事業は、パラグアイ第二の規模であるシウダ・デル・エステ都市圏においてエネルギー効率の高い上下水道施設の新設・改修を実施することにより、安全且つ効率的な上下水道サービスの提供を図り、もって同地域の生活環境の改善に寄与する。

事業内容