プロジェクト名
(和)ビジャ・アジェス市における給水システム改善計画
(英)The Project for the Improvement of the Water Supply System in Villa Hayes City
事業
無償資金協力
対象国名
パラグアイ共和国
署名日(実施合意)
2022年11月14日
プロジェクトサイト
プレシデンテ・アジェス県ビジャ・アジェス市
協力期間
2022年8月~2026年2月
相手国機関名
(和)公共事業・通信省上下水道局(MOPC-DAPSAN)、パラグアイ衛生サービス公社
(西)Dirección de Agua Potable y Saneamiento (DAPSAN),
Ministerio de Obras Públicas y Comunicaciones (MOPC)
Empresa de Servicios Sanitarios del Paraguay(ESSAP)
背景
パラグアイの水・衛生セクターでは、公共事業・通信省上下水道局(以下、「MOPC-DAPSAN」という。)が同セクターの開発戦略や政策を立案し、衛生事業管理規則院(以下、「ERSSAN」という。)が独立機関として水道事業の監督業務を担っている。
ビジャ・アジェス市は、首都アスンシオン市の北西約30km、パラグアイ川の対岸に位置し、同国の西部地域プレシデンテ・アジェス県の県庁所在地で、人口は約5万人、上水道普及率は58.5%であり(ERSSAN 2019)、全国の上水道普及率83%と比べて低く、インフラ整備が遅れている。同市は、同国最大のイタイプ発電所から延びる500KV送電線の最終地点であることから、近年、産業・工業活動が進み、新興住宅地の開発や大学の開設により、人口増加が著しい。また、アスンシオンの対岸に位置するため、首都のベッドタウンとしての人口増加も進んでいる。この地域は貧困地域であるチャコ地方の入り口となっており、特に市域の末端部分には貧困層の集住化も見られる。
同市の給水サービスの事業運営を担うパラグアイ衛生サービス公社(以下、「ESSAP」という。)が給水する地区は、ビジャ・アジェス市の中心区域であり、既存の給水施設の生産量不足から給水エリア内の人口増加に対応した拡張ができていない。ERSSANの統計資料によれば、2008年に約1.7万人であった同市の給水人口は2018年には約2.3万人に増加している一方で、浄水場の処理能力以上の過負荷運転にもかかわらず、給水不足が解消されていない。更に、恒常的に給水区域内の水圧不足等給水不良が生じている箇所が複数存在しており、拡大する水需要に対応した給水サービスの強化が求められている。
かかる状況下、同国政府は「パラグアイ国家開発計画2030」にて2030年までに上水道普及率100%を目指し、MOPCの「国家上水道および衛生計画2018」において、飲料水供給改善に取組んでいるものの、都市部の給水システムの整備不足及び老朽化により需要を満たせておらず、水不足を是正するため施設の改善が急務となっている。更に、近年、気候変動の影響を受け、パラグアイ川の激しい水位変動が水道原水の取水にも影響している。具体的には、洪水が発生し、既存のフロート式取水ポンプが流されたり、渇水時の水位低下により取水できなくなったりすることで、断水となる事態も頻繁に発生している。
ビジャ・アジェス市給水システム改善計画(以下「本事業」という。)は、ビジャ・アジェス市において浄水場と送配水管等を整備することで、給水能力の増大を図るものであり、人間の安全保障の観点からも優先度の高い事業として、「国家上水道及び衛生計画2018」に位置づけられている。
事業目的
本事業は、ビジャ・アジェス市において、浄水場、送配水管等を整備することにより、給水能力の増強を図り、もってビジャ・アジェス市における水供給の安定化と市民の生活環境の向上に寄与するもの。
効果
- 1 . 給水サービスの向上によりビジャ・アジェス市民の生活環境・公衆衛生・健康状態が改善される。
- 2 . 災害に強靭な取水施設建設により、渇水および洪水などの気候変動に適応することが可能となり、年間を通じて安定した給水がなされる。
事業内容
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1
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施設、機材等:
取水施設、浄水施設導水管、送水管、配水管、SCADA システム - 2 . コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネント
- 3 . コンサルティング・サービス:詳細設計、入札補助、施工監理
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4
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ソフトコンポーネント:浄水施設運転・維持管理、配水管網管理技術およびメータ
設置促進
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