プロジェクト名
(和)障害者の社会参加促進プロジェクト
(英)Project for the Promotion of Social Participation of Persons with Disabilities
事業
技術協力
課題
社会保障
対象国名
パラグアイ共和国
プロジェクトサイト
フェルナンド・デ・ラ・モラ(セントラル県)
ヴィジャリカ(グアイラ県)
コロネル・オヴィエド(カアグアス県)
カアグアス(カアグアス県)
ピラユ(パラグアリ県)
協力期間
2024年4月~2028年3月
相手国機関名
(和)国家障害者人権庁(SENADIS)
(西)Secretaría Nacional por los Derechos Humanos de las Personas con Discapacidad (SENADIS)
背景
2008年にパラグアイ政府は障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities、以下「CRPD」という。)を批准し、2012年10月には障害分野の調整及び監督を行う政府機関として国家障害者人権庁(Secretaria Nacional por los Derechos Humanos de las Personas con Discapacidad、以下「SENADIS」という。)を設立した。また、2020年に障害者の人権に関する国家行動計画を策定している。
2021年には、地方自治体に障害事務局(Secretarias de Discapacidad)の設置を義務付ける法律が施行され、SENADISと協働して各地方自治体における障害者のケアを促進し、あらゆる差別を排除し、すべての権利の完全な行使と参加を促進することを義務付けた。同法律の下では、地方自治体において障害について協議する場である県障害者権利委員会(Comision Departamental de Discapacidad、以下「CODEDIS」という。)及び市障害者権利委員会(Comision Municipal de Discapacidad、以下「COMUDIS」という。)を発足させることが明記されている。
しかし、多くの地方自治体ではまだ障害事務局が設置されておらず、また、設置されても十分に機能しておらず、コミュニティでの障害者の包摂が進んでいない一因となっている。
JICAは、障害と開発分野において、日本の当事者団体とともに15年以上に渡り中南米地域の障害者に寄り添いながら、障害者のエンパワメントと自立生活のための政策と制度の発展に努めてきた。パラグアイでの同分野のJICAの技術協力が本格的に開始されたのは、SENADISの能力強化のために派遣された個別専門家「障害者の社会参加促進アドバイザー(2016~2018年)」からである。
その後継案件である個別専門家「障害者の社会参加促進アドバイザー(フェーズ2)」が2021年10月から2023年10月までSENADISに派遣された。同案件では、地方自治体に設置された障害事務局の強化を目的に、首都アスンシオン市に加え、フェルナンド・デ・ラ・モラ市、コロネル・オビエド市、ビジャリカ市の障害事務局で地域に根ざしたインクルーシブな開発(Community-Based Inclusive Development, CBID)を実践した。
具体的には、関係者の物理的アクセシビリティのチェックスキル習得のための研修実施、障害者の地域社会での自立生活促進に向けた障害啓発ファシリテータ育成計画を「障害の社会モデル」に基づき作成、中南米各国と連携した障害者の地域社会での自立生活に取り組むリーダーの育成を推進した。同活動中、「障害者が地方自治において公的に意思表示する場」が欠如していることが課題であることがわかった。
本事業は上述の取り組みを発展させるとともに、地方自治体レベルでの障害者を含む関係者間の対話(dialogues)のためのプラットフォームを整備し、個別専門家派遣により認識された課題である地方自治体レベルでの障害者の社会参加を促進することを計画している。具体的には、5つのプロジェクトサイト(市レベル)において、①COMUDIS、インクルージョン・ネットワーク等のプラットフォーム(対話の場)の確立・強化、②障害者が対話に参加するための関係者(SENADIS本部・支部、障害事務局、障害者とその家族など)の能力強化、③障害に関する対話の発展を他の地方自治体に拡大させるべく、その手法や内容が事例をもとに開発されることを目的としている。
目標
上位目標
障害に関する対話を発展させるために学んだ教訓が、プロジェクトサイト5都市が所在する県内の他の地方自治体にも共有される。
プロジェクト目標
プロジェクトサイトでの障害に関する対話を通じて、障害者の社会参加 が促進される。
成果
- 1 . 地方自治体レベルで対話のためのプラットフォームが確立・強化される。(例:COMUDIS、インクルージョン・ネットワークなど)
- 2 . 障害者が対話に参加するために、プロジェクトサイトでの関係者の能力が強化される。
- 3 . 他の地方自治体で障害に関する対話を発展させるための手法や内容が、プロジェクトサイトでの事例や教訓をもとに開発される。
投入
日本側投入
- 1 . 専門家派遣
- 2 . 短期専門家
- 3 . 第三国研修
- 4 . 本邦研修
- 5 . 機材:車両
- 6 . 現地経費
- 7 . 事務用品等
相手国側投入
- 1 . カウンターパート人員の配置
- 2 . 施設と設備
- 3 . ローカルコスト
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