パラグアイ事務所長として2023年7月に着任しました高畠千佳(たかはたけちか)です。パラグアイは、日本の約1.1倍の面積に人口約700万人の方が暮らす、ブラジルとアルゼンチン、ボリビアに囲まれた内陸国です。農業を基幹産業とし、世界有数の大豆および牛肉の生産量・輸出量を誇ります。日本との関係では、1936年の日本人移住者の入植開始以降、現在約10,000人の日本人移住者・日系人の方々が在住しており、特に農業分野を中心とした貢献によりパラグアイ社会で大変高い評価を得ています。また、我が国ODAを通じた、長年にわたる経済協力もあいまって、パラグアイは中南米諸国の中でも特に親日的な国の一つです。
一方、気候変動の影響に伴う農作物の生産状況と国際価格の変動に経済が大きく左右されるため、国際競争力の高い輸出産品を中心とした安定した農業生産性の確保が不可欠となっています。また依然として国内貧富の格差は大きく、特に地方部の農村地域において顕著なため、農村開発を通じた雇用の創出や生計向上が引き続き必要です。
他方、近年、パラグアイ政府は積極的な外資誘致策を推進しており、パラグアイを拠点とした輸出を促進するマキラ法、豊富で若い労働力や潤沢な水力発電等を背景に、自動車部品、造船、食品加工分野等において、日本企業を含めた外国企業の進出が活発化しており、従来の農業依存型の産業構造からの転換も図りつつあります。こうした民間セクターの参入を促進するためには、ソフト、ハード面における投資・ビジネス環境の整備が急務となっています。
中南米諸国の中でも近年最も高い経済成長率を維持してきたパラグアイの開発、発展を確実に支援すべく、JICAが有する有償資金協力、無償資金協力、技術協力の3スキームのほか、ボランティア派遣、市民参加、民間連携などの各スキームを最大活用し、重層的かつ体系的な協力アプローチによる事業展開を図っていきたいと思います。また、これまでの協力の経緯を踏まえて、宇宙分野(衛星運用技術・衛星画像活用)などの新しい分野でも協力を広げていければと考えています。
パラグアイに関心をお持ちの方には、お気軽にご相談・ご質問をお寄せいただければと存じます。長きにわたる、パラグアイと日本の信頼関係を更に発展させるため、パラグアイ・日本双方の皆様とともに頑張れればと思います。皆様のご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
パラグアイ事務所長
高畠 千佳
メール:Takahatake.Chika@jica.go.jp
Facebook:JICA Paraguay
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