jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

第三国研修「社会経済開発のための日系社会・日系校の連携強化国際セミナー」第2回セミナーを開催

2025.01.10

ペルーでは、中南米日系社会の持続的な発展、日本との強固なつながり、さらには親日派・知日派の育成を目指し、第三国研修「社会経済開発のための日系社会・日系校の連携強化国際セミナー」を実施しています。
この研修は、「日本語指導力の強化」「日系校および日系団体の組織力向上」、さらに「中南米の日系校や日系団体間のネットワーク構築と連携強化」を目的とした5年間の長期プロジェクトとして、2023年にスタートしました。

2023年に行われた第1回セミナーでは、「日本語指導法」をテーマに掲げ、研修員たちの熱心な参加と連携により、各国で具体的な成果が確認されました。
たとえば、研修終了後には日本語教師と児童・生徒の交流が行われ、日本から招聘された講師とJICA帰国研修員による漢字指導法の講義やワークショップがきっかけとなり、ブラジルの日系校では小学校低学年向けの漢字学習が新たに導入されました。このような実践例は、教育現場における成果の一端を物語っています。

この成功を踏まえ、2024年10月7日から14日にかけて第2回セミナーが開催されました。
ペルー日系人協会、ラ・ウニオン日系校、JICAペルー事務所が共同でプログラムを策定し、「日系団体への若手の巻き込み」と「若手リーダーの育成」をテーマに掲げました。今回のセミナーには、ペルーの研修員に加え、ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、キューバ、メキシコ、パラグアイ、ドミニカ共和国、ウルグアイの日系社会を代表する12名の研修員が参加しました。

セミナーでは、ブラジル日本文化福祉協会、ペルー北中城村人会、特定非営利活動法人エフエムわいわい、さらにペルーの漫画編集者など、多様な専門家たちが講義やワークショップを実施しました。
研修員たちは、日系社会における重要な役割を果たす次世代リーダーを育成するためのスキルや知識を学び、若手を巻き込む具体的な手法や、プロジェクト構築に必要な洞察を得る貴重な機会を得ました。また、参加者間で活発な意見交換が行われ、新たな連携や革新的なアイデアが生まれる場ともなりました。

研修の成果を活用したプロジェクトも既に実現しています。その一例として、「多文化共生」をテーマにブラジルとペルーが連携して開催した共同セミナーが挙げられます。このセミナーは、帰国した研修員が主導して実現したものであり、国境を越えた日系社会間の連携可能性を示す好事例として高く評価されています。

本プロジェクトの目標は、中南米全域の日系社会が協力し合い、持続可能で強固なネットワークを構築することです。今後も研修員同士の絆を深め、セミナーで得た知識や経験を基に、新たなプロジェクトが展開されることが期待されています。2025年には第3回セミナーの開催が予定されており、これまでの成果を基盤に、より充実したプログラムが計画されています。また、本研修で得られたノウハウや成果がペルー日系社会に引き継がれ、地域全体の発展に貢献する持続的な活動として展開されることが期待されています。

JICAペルーは、中南米の日系社会の発展と多文化共生の実現に向け、これからも全力で支援を続けてまいります。

JICAペルー事務所長挨拶

開会式の様子

スポーツを通じてリーダー育成やグループ活動を紹介

ブラジル日系団体が展開する若手中心の取り組みを学ぶ

ペルー日系人協会のポップカルチャーを活用した取り組みの提案

日本のNGOの取り組みを通じて若手を巻き込むためのヒントを得る

北中城村人会の事例を紹介

漫画を通して日系社会への若手の巻き込みについて考える

中南米日系社会ネットワーク強化の推進

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ