第1バッチ研修員 学生生活開始

2017年8月に来日した「シリア平和への架け橋・人材育成プログラム」の長期研修員19名は、現在全国各地の11大学にて専門分野の勉強に加え日本語学習にも力を入れながら学生生活を送っています。

日常生活において、大学の寮に入寮した研修員を除くほとんどの研修員が最初にしたことは、地域の不動産屋を訪問し、家を探すことでした。不動産屋から20件以上も紹介してもらい、数の多さに混乱してしまった研修員もいれば、気に入る部屋が見つからず、不動産屋を何件も回った研修員もいます。契約時の宅地建物取引士の重要事項証明書の説明に日本の住居契約の細やかさに感動した研修員もいました。

なかでもユニークな経験をしているのは、シェアハウスに住んでいる研修員2名です。そのシェアハウスは、管理人の女性1名とその他3名が暮らすことができるようになっており、トイレとお風呂は共同ですが、各自の個室があります。現在の入居者は研修員2名のみで、その管理人の女性が毎日2人のために夕食を作ってくださり、まるで母親のような存在です。彼女は英語が話せないため、研修員は毎日習いたての日本語でコミュニケーションをとっていることから、彼らの日本語は日々上達しています。また、毎晩研修員がシリアの家族と電話をしている際には、彼女のことを家族に紹介したり、研修員が通訳をしながら会話に一緒に参加したり、家族も含めた交流を深めています。

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シェアハウスでの団らんの様子

今では19名全員、自分の住居に落ち着くことができ、家の中でシリアでの暮らしを再現するなど心休まる空間を作っています。すっかり真冬の気候となった日本ですが、シリアの気候と言うと、乾燥した大地に太陽が照りつけているような、とても暑いイメージがあります。しかし実際には、日本と同じように春夏秋冬があり、研修員によると日本の冬はシリアの冬より寒くないようです。多忙な学生生活の中でも日本の季節の移り変わりを感じながら、19名全員が元気に研修に取り組んでいます。

(株式会社 日本開発サービス(JDS)小澤)