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【トルコ・シリア大地震】日本の国際緊急援助隊を支えた「アンサングヒーロー」通訳たち

2023.06.27

2023年2月6日未明、トルコ南東部を震央とするマグニチュード7.8の大地震が発生しました。トルコとシリアを併せて5万6千人以上が亡くなったトルコ・シリア大地震では、2月6日の後も大きな余震が何度も続き、多くの住宅や建物が次々と倒壊。日本は、震災発生直後からJICAを通じて国際緊急援助隊(JDR)救助チームや医療チームを派遣しました。日本人の救助や医療の専門家によって構成されるJDRですが、そのオペレーションにおいて欠かせない重要な役割を担ったのは、トルコ各地から集まった通訳の方々でした。通訳の方々に感謝の意を示すため、6月10日、トルコの首都・アンカラで慰労イベントを開催しました。

大地震直後の過酷な被災地の現場に集まった通訳たち

トルコ語を公用語とするトルコにおいて、一分一秒を争う被災地で救助や医療の日本人エキスパートが的確かつ迅速に活動を行うためには、トルコ語を日本語や英語に訳し、被災者や行政関係者との間でのやり取りをサポートしてくれる通訳の方々の存在が不可欠でした。

数十名規模のJDRの活動現場では、たくさんの通訳の方の協力が必要になります。震災発生直後からトルコ各地の多くの方々より協力の申し出を頂き、約50名の通訳の方々に協力頂きました。その殆どがボランティア通訳であり、なかにはトルコ各地の大学で日本語を学んでいる学生も多くいました。

地震発生後翌日には第一陣が到着した救助チームは、雪が降り、気温が氷点下にも冷え込むカフラマンマラシュで夜を徹して救助活動を行いました。過酷な状況下の被災地に集まった通訳の方々もまた、倒壊する家屋に囲まれながら救助チームの通訳を行い、救助を求める住民の声を聞き、不眠不休での活動を行いました。

続いて日本から派遣された医療チームの活動は1か月以上にもわたり、その間、ガジアンテップ・オウズエリに設置されたテント病院において常に10名程度の通訳の方に協力頂きました。地震によって医療がひっ迫し、近辺の街からも治療を求めてやってくる患者の声を、通訳の方々は共感をもって忍耐強く聞き、医療チームの活動を支えました。

救助チームを支える通訳

医療チームを支える通訳

慰労イベントにて通訳の献身に敬意を示す

JDR救助チームと医療チームに協力してくださった通訳の方々に感謝の意を示すため、JICAは6月10日にアンカラの土日基金で慰労イベントを開催しました。通訳の方々は、歴史上類を見ない規模の大地震の被災地で活動を行いました。同じ経験を経た通訳同士が震災後に見た光景を語り合うことで、未来に向けて歩き出すことが出来るよう、慰労イベントでは通訳同士のつながりの強化も目指しました。

慰労イベントには勝亦孝彦駐トルコ日本国大使にもご参加頂き、強い責任感を持って活動頂いた通訳の方々に慰労の言葉がかけられたほか、エミン・オズダマル土日基金副理事長及び田中優子JICAトルコ事務所長より、通訳の方々の強いボランタリズムと献身への敬意が示されました。

また、日本語話者を大多数とする通訳の方々は、将来の日本・トルコの友好関係の強化を担う方々でもあります。慰労イベントでは、もちつきも行い、ユニークな日本文化を体験頂きました。

参加者に向けてスピーチを行う勝亦大使

日本文化紹介の一環としてもちつきを体験

地震多発国である日本・トルコの協力関係を象徴する今回のJDRの活動は、トルコ各地からかけつけてくださった通訳の方々の協力無しには実現しませんでした。献身的に活動をされた通訳の方々は、まさに今回の地震への支援における「アンサングヒーロー」でした。

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