jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

所長あいさつ

バヌアツは南太平洋のオーストラリアの北東に位置する島国です。約3000年前から人びとが暮らしてきた長い歴史を持ちますが、主権国家として独立したのは1980年で、比較的新しい独立国です。

バヌアツは独立以降、平和で民主的な国造りを進め、漁業、農業、観光業を中心に、経済成長を遂げてきました。また、基礎的な教育や保健、衛生、港湾・道路・電力などの社会・経済インフラも整備され、社会全体の発展が進みました。しかしながら、小島嶼国であるバヌアツは、国土が狭く、人口も約33万人と限られ、輸出できる鉱物資源もほとんどないことから、産業開発は容易ではありません。主要な市場や生産拠点、資源立地から離れているため、輸送コストが高く、競争力の確保が容易ではありません。83の島々のうち、広範囲に分散する65島に人びとが住むことから、国の開発には巨額の費用を要します。そのため、海外からの援助や個人送金への依存度が高い経済構造となっています。また、自然災害に脆弱で、独立から今日に至るまで、サイクロンや地震、火山噴火による被害を受けており、近年では気候変動による影響も大きな課題になっています。

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JICAは独立直後の1981年にバヌアツへの協力を開始しました。以降、専門家の派遣、研修員の受入、開発計画の策定、海外協力隊の派遣、資金協力によるインフラ等の整備、日本の自治体や大学、企業との連携事業、緊急援助など、その協力の幅を広げ、バヌアツの経済・社会開発や防災・復興、環境・気候変動対策など多岐にわたる分野での協力を展開してきました。

バヌアツは、美しい自然と多様な文化に恵まれ、それぞれの地域に根付いた伝統や価値観が共存する魅力あふれる国です。一方で、地理的な制約による開発上の課題や、自然災害・気候変動の影響を受けやすい脆弱性も抱えています。地政学的にも重要なメラネシア地域に位置し、日本との長年の友好関係を育んできたバヌアツが、これからも平和で安定した国として発展していくことは、同じ太平洋を分かち合う島国である日本にとっても大切なことです。

私どもは、日本の皆さまとともに、これからもバヌアツの開発と両国の友好関係の深化・発展のため、尽力する所存です。

2026年8月
バヌアツ支所長 朝熊 由美子