所長あいさつ

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JICAにおけるキャリアの中で長くパキスタンを含む南アジア地域に関係する業務を担当した者として、この度パキスタン事務所長として当地に赴任したことをたいへん嬉しく思います。パキスタンの社会経済が成長・改善する中で人々が希望に満ちた生活が送れる社会となるよう、更にはパキスタンと日本の間で人を通じた信頼関係が更に醸成されるよう、努力してまいりたいと思います。

パキスタンに対する我が国政府開発援助は1954年に開始され、以降我が国及びJICAは約65年の間、多岐にわたる分野における協力を継続してきました。現在、JICAは、道路、電力といったインフラ整備、産業振興・貿易投資促進や農業振興を通じた経済の活性化、雇用促進や収入向上、保健や教育、職業訓練、上下水整備といった人々の基本的なサービスやエンパワーメント、さらには防災や安全向上への協力などを行っています。

パキスタンは、インド、中国、アフガニスタン及びイランと国境を接した重要な位置にあります。また2億人を超す世界第6位に相当する人口を有し、30歳未満の若年人口が全体の6割以上を占めています。パキスタンの将来的な大きな可能性を踏まえて、そして周辺国を含めた地域の安定化を図っていく上においても、パキスタンにおいて、安定した社会が構築され、人々の生活が改善し、経済が持続的に成長していくことは極めて重要です。

パキスタンは国内外に課題を抱え、治安が悪い国とのイメージを持たれているかもしれません。しかし、近年パキスタン国内におけるテロ事件発生件数は着実に減少してきております。パキスタンの人々は友好的で極めて親日的であり、また、当地域の経済社会発展に重要な様々なポテンシャルに溢れた国です。2018年夏以降、イムラム・カーン首相の下、パキスタン政府は福祉国家を目指し、人的資源へ力を入れようとしています。パキスタンの経済社会が発展していくためには様々な課題が横たわっていますが、開発援助の業務を進めるJICAとしては、最新のパキスタンの諸事情に目を配り、経済基盤の改善、社会基盤の改善などを通じて、パキスタン政府の自立的取組みを支えつつ、バランスのとれた効果的な活動をイノベーティブな発想も加えて続けていきたいと考えています。

そのためには、パキスタン政府関係者との対話に加え、様々な分野でパキスタンに活力を与えようとしている方々、色々な形でパキスタンとの関係をお持ちの方々、同国にご関心をお持ちの方々からのご意見もお聞きしつつ、イノベーティブな発想で的確な対応を行ってまいりたいと思っています。どうぞ宜しくお願いいたします。

2019年5月
JICAパキスタン事務所長
古田 成樹