所長あいさつ

2021年2月にパナマ事務所長に着任しました金川です。

パナマは、10年程前に経済産業省に出向していた際に出張で訪問した思い出の地です。
その際は、パナマがこれから都市交通を整備しようとしているタイミングで、都市交通セミナーを開催したのですが、それから10年の時を経て、今度はJICA事務所長として、まさにこれから建設が開始される円借款によるモノレール事業(パナマ首都圏都市交通3号線整備事業)に携われることを大変嬉しく思っています。

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パナマは、人口(約418万人。2018年世界銀行)、面積(7.5万平方キロメートル)と北海道よりやや小さい規模の国で、日本は1904年にパナマと外交関係を樹立し、JICAは1963年から50年以上にわたり、技術協力、円借款、無償資金協力、協力隊などを通じて様々な協力を実施してきました。

また、同国は言わずもがなパナマ運河を擁する要衝で、日本は第3位の利用国(2020年。重量ベース)であり、日本にとって極めて重要な国です。
なお、100年以上前の建設工事に日本人技師の青山士氏が参加しており、また小学校の教科書にもパナマ運河が紹介されているなど、パナマといえばパナマ運河というイメージを持たれる方も多いのではないかと思います。

パナマは、運河を始めとする物流や金融などのサービスセクターが牽引役となり、これまで堅調に経済成長を遂げてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響は甚大です。
新型コロナによる人口当たりの累積陽性者数や死者数は世界でワースト15位程度であり、また2020年の経済成長率は-9%に大きく落ち込むと予測され、現在は各種制限が緩和の方向に向かっておりますが、平日夜間や週末は外出が禁止されているなど、人々の生命・健康・生活や社会経済に大きな影響を及ぼしています。

このような中、JICAは、パナマにおいて、モノレール事業による雇用創出やパナマ首都圏のインフラ整備を通じた経済活性化に貢献すると共に、パナマ運河流域における環境保全や、都市部と地方部の格差是正への協力を推進しています。

ウィズコロナ、ポストコロナにおいては、新型コロナの影響は残るものの比較的所得水準の高いパナマにおいて、民間企業の技術や資金の活用、JICA開発大学院構想・JICAチェア(日本研究講座設立支援事業)における日本の経験の共有、デジタルトランスフォーメーション(DX)の利用、自治体連携の支援などにも一層取り組んでいきたいと考えています。

長きにわたる両国の協力関係を更に発展させるため、両国の架け橋となれるよう、現場にて、パナマおよび日本の皆様と共に、頑張りたいと思います。
よろしくお願いいたします。

パナマ事務所長
金川 誠

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