所長あいさつ

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パナマ共和国は、北米と南米を結ぶ中南米大陸の中で最も狭くなった地峡に位置し、北海道とほぼ同じ位の国土に先住民を含む多人種から構成される386万人の人々が暮らしています(2013年世銀)。1999年12月31日正午にアメリカ合衆国から返還されたパナマ運河は2014年8月15日に開通100周年を迎えました。また、2016年6月26日にはネオパナマックスと呼ばれる大型船舶が通行できる第3レーンが開通し、太平洋と大西洋を結ぶ世界物流の要所としての役割はますます大きくなることが期待されます。また、首都パナマ市内では2014年4月に地下鉄1号線が開通しましたが、現在、首都圏では2、3号線の建設計画が進められており、パナマは著しい経済発展の中にあります。その一方、都市と地方の経済格差は大きな問題として残っています。

パナマでは、JICAは1963年に農業技術、農地改革分野の本邦研修に4名のパナマ人研修員の受入れを行って以来、50年以上に亘って各種協力を実施してまいりました。現在は、環境に配慮した社会経済開発支援を基本方針とし、急激な経済成長に伴い顕著となっている、都市基盤整備の問題、環境保全に係る課題に対する支援、また、拡大傾向にある首都圏と地方農村部との経済格差、及び都市部における貧富の格差の是正に向けた人材育成支援を、技術協力・研修事業、ボランティア事業、及び有償資金協力の各スキームを活用して実施しています。

とりわけ、1994年4月に開始したパナマ運河流域の森林や水資源を守るための参加型の技術協力の取り組みは、2014年以降はその成果を中南米各国からの研修生と共有するための三角協力の取り組みに成長しています。また、急速に発展するパナマ市において円借款で整備されたパナマ初の本格的な下水処理場は2013年5月から運用が開始され、水質汚染が深刻だったパナマ湾の環境改善に貢献することが期待されています。さらに、2016年4月に供与が決定された円借款を通じて、パナマ政府が実施する安全性かつ信頼性のある都市交通3号線の整備を支援してまいります。

このように、今後ますます世界の中での役割が大きくなる経済成長著しいパナマと、世界第四位の運河利用国としての日本(2015年パナマ運河庁)との協力関係を維持・発展させるために、JICAは両国の架け橋として取り組んでまいります。

このページを通じて、パナマにおけるJICAの事業・活動について、皆様にご理解いただければ幸いです。

パナマ事務所長 石丸 卓

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運河流域保全計画プロジェクト実施サイトでの地域住民による継続した生産活動

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パナマ市及びパナマ湾浄化事業による下水処理場

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パナマ運河第3レーン(運河拡張部)を通過する大型貨物船