コロネル・オビエド市給水システム改善計画

プロジェクト名

(日)コロネル・オビエド市給水システム改善計画
(英)Project for Improvement of the Drinking Water System for Coronel Oviedo City
(西)Proyecto de Mejoramiento del Sistema de Agua Potable de la Ciudad de Coronel Oviedo

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浄水場

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取水施設

対象国

パラグアイ

GA署名日(実施合意)

2014年9月22日

プロジェクトサイト

グアイラ県 ジャタイツ市、テビクアルミ地区

協力期間

2014年9月~2018年12月

協力金額

1,827,000,000円(15百万ドル相当)
(換算レート:1USD=122.744円,2015年7月)

相手国機関名

公共事業・通信省 水衛生局(DAPSAN)

背景

パラグアイ共和国(以下、パラグアイ)では、全人口(約650万人)の70.4%(2007年:公共事業通信省)が上水道等の給水施設にアクセスしているものの、依然として、残りの約30%が安全な水を利用することが出来ない状況にある。現在、全国には約3,000の給水・衛生事業者が存在しており、中でも給水人口割合の38%をパラグアイ衛生サービス会社(以下ESSAP)が占めており、全国29都市において21の給水システムを運営の上、約26万戸/120万人に水を供給している。コロネル・オビエド市は、アスンシオン、シウダー・デル・エステ及びエンカルナシオンの三大都市圏を除くと2番目に人口の多い都市(約6万人)であるが、給水施設へのアクセス率は約60%に止まっている。

テビクアルミ浄水場は1986年に建設され、ESSAPによって運営されている。当初の浄水能力は16,800平方メートル/日とされるが、老朽化等の影響により現在の浄水量は13,000~14,000平方メートルに低下している。本浄水場はコロネル・オビエド市以外の3都市(ビジャリカ市、ジャタイツ市及びボカジャツ市)にも給水しているが、近年の都市化による人口増加、浄水場の処理能力や送水能力の低下に伴い、安定した水の供給ができない状況となっている。また、取水源であるテビクアルミ川は数年ごとに洪水に見舞われ、浄水場が冠水する事態になり、浄水場が長期にわたり停止したこともある。

こうした状況の下、パラグアイ政府はコロネル・オビエド市を対象として浄水場施設の建設と浄水施設からコロネル・オビエド市までの送水管の布設に係るプロジェクトを形成し、無償資金協力による実施を日本国に要請した。新浄水施設の規模は2020年のコロネル・オビエド市の人口を目標年度とし、洪水による被害への対策も考慮しつつ、設計された。

本案件の直接受益者は、コロネル・オビエド市の約7万3千人であるが、新浄水場が建設されることによって間接的にビジャリカ市、ジャタイツ市及びボカジャツ市への給水も安定することから間接的にこれら3都市の6万8千人にも裨益する(2020年推定人口)。

2014年6月25日、東京において、安倍晋三内閣総理大臣とオラシオ・カルテス大統領の立ち会いの下、日本国上田善久駐パラグアイ大使と先方エラディオ・ロイサガ外務大臣(H.E. Mr. Eladio Loizaga, Minister of Foreign Affairs)との間で書簡の交換が行われた。

上位目標

コロネル・オビエド市及びビジャリカ市と周辺2都市(ボカジャトゥ、ジャタイトゥ)の生活環境が改善される。

プロジェクト目標

対象都市(コロネル・オビエド市)の水供給の増強と安定化、市民生活の衛生改善のため、取水・浄水施設及び送水施設を建設する。

成果

対象地域に取水、浄水施設、送水施設が整備される。

日本側投入(施設概要)

取水施設:計画取水量28.900立方メートル/日、取水口、沈砂池、取水ポンプ、取水ポンプ室、導水管
浄水施設:計画浄水量13.500立方メートル/日、着水井、薬品混和、急速撹拌、フロック形成池、薬品沈殿池、急速ろ過池、逆洗ポンプ、逆洗ブロアー、浄水管理池、配水池/逆洗ポンプ井、送水ポンプ、薬品管理室、ポンプ室、電気室/ブロアー室、計測設備、場内排水管
送水施設:計画送水量12.300立方メートル/日、新規浄水場からコロネル・オビエド市排水センター:22.7キロメートル、そのうち浄水場-テビクアルミ側橋染通過区間:ダクタイル鋳鉄管φ400ミリメートル、地中埋設部:ダクタイル鋳鉄管 φ300ミリメートル、終点:配水センター内で既存管の接合
ソフトコンポーネント:整備した施設の運営に係る技術指導を行うことによって、円滑な立ち上がりを可能とするための支援である。したがって、テビクアルミ浄水場において、ESSAP職員の運営維持管理能力が向上することを目標とする。

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