家畜衛生対策強化アドバイザー

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食肉処理場での検査

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地方検疫所の視察

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SENACSAラボラトリー内での活動

プロジェクト名

(和)家畜衛生対策強化アドバイザー
(英)Technical advisor for the strengthening of the laboratory for the diagnosis of livestock disease
(西)Asesoría técnica para el fortalecimiento del laboratorio para el diagnóstico de enfermedades de ganado

対象国名

パラグアイ

プロジェクトサイト

サン・ロレンソ市

協力期間

2019年7月~2023年3月を予定(計45カ月)

相手国機関名

(和)国家家畜品質・衛生機構(SENACSA)
(英)National Quality and Animal Health Service

背景

パラグアイでは、肥沃な土壌を活かした牧畜業が盛んであり、約1,400万頭の牛が放牧形態で飼養されているほか、養豚、養鶏の産業化も進められている。なかでも牛肉は主要輸出産品であり、2021年は約32万トンの牛肉が約50ヶ国へ輸出され、国内約14万戸の牛生産農家の生計を支えるとともに、食肉関連企業等での雇用を創出する重要な産業の一つである。それらの産業の基礎となる家畜の疾病管理や予防並びに動物由来産品の品質と安全性確保を所管する目的で独立行政法人、国家家畜品質・衛生機構(SENACSA)がパラグアイの獣医衛生当局として機能している。

近年の食肉等の国際市場においては、輸入国に応じた家畜や食肉の衛生管理に要求されるレベルを満たし、更に世界的な課題である人獣共通感染症や薬剤耐性(AMR)対策など「Una Salud(One Health)(感染症対策のため、公衆衛生、動物衛生、環境保全の3分野が連携した一体的な取組)」を推進することも求められている。かかる課題に対応するためには、SENACSA職員の人材育成も含め家畜疾病診断体制や食肉の安全性確保のための有害微生物や残留物質検査等、同機関が提供するサービスの更なる改善に向けた管理・運営体制の強化が必要であり、情報収集・現状分析を実施し、技術的な助言、提言を行う専門家が要請され、2019年7月より派遣されている。

目標

上位目標

パラグアイ国における人獣共通感染症を含む家畜疾病に対する正確且つ迅速な検査診断サービスが提供される。

プロジェクト目標

人獣共通感染症を含む家畜生産者に影響を与えうる家畜疾病の診断能力向上及び体制が強化される。

成果

活動

成果1

1-1:SENACSA職員、検査員はじめ関係機関の職員、関係者から聞取り調査を実施する。
1-2:1-1や公表された畜産関連情報、機関間の協力可能性の有無を含む実態や課題を把握・分析する。
1-3:民間検査機関も含め国内で実施されている検査診断に関し、検査技術の有効性、妥当性、検査結果の透明性確保に係る実態を分析する。
1-4:1-1~1-3から今後の改善点を抽出する。

成果2

2-1:主にDIGECIPOA(動物由来産品管理総局)が管理する施設や実施している業務に係る関連情報を収集する。
2-2:主にDIGELAB(検査ラボ総局)が実施し各疾病の検査法、検査室の設備、検査機材及び検査診断試薬の配備状況や調達等に係る関連情報を収集する。
2-3:他関連総局が管理する施設や、実施している業務情報を収集する。
2-4:2-1~2-3より得た情報からSENACSA強化のための政策提言を作成する。

成果3

3-1:SENACSA検査員へのインタビューを実施し、現在の技術レベル、研修ニーズを分析・同定する。
3-2:3-1を踏まえSENACSA検査員の能力強化のために優先的に実施すべき研修の計画を立案する。
3-3:3-2の研修実施にともなう新たな診断技術導入や検査プロセスの導入を提案する。
3-4:3-3を実施、評価し診断体制強化を提言する。

成果4

4-1:他ドナー機関の協力内容及び進捗を定期的に把握し、同事業支援関係者と綿密な連携を図る。
4-2:4-1の活動を通じSENACSAが中長期的に取組むべき課題の内、JICAの次期協力の展望を特定する。

投入

日本側投入

日本人専門家、プロジェクト実施に係る必要経費

相手国側投入

プロジェクト実施に必要な人材配置
プロジェクト事務所及び執務環境
現地運営費

プロジェクトニュース