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ブラジル「分散型太陽光発電システム導入事業」に対する融資契約調印(海外投融資):同国最大規模の信用組合連合と連携し太陽光自家発電システムの導入を促進

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2020年4月1日

Sicrediグループの支援により太陽光発電システムが導入された小売店

国際協力機構(JICA)は、3月31日、ブラジル最大規模の信用組合連合であるSicrediグループとの間で、「分散型太陽光発電システム導入事業」のために最大1億米ドルを供与する融資契約を締結しました。シティバンク、エヌ・エイとの協調融資になります。また、JICAにとって同国初の現地金融機関向け海外投融資です。

ブラジルの電力は約6割を水力発電に依存していますが、近年は気候変動の影響を受けた旱ばつ等の発生によって、停電等の電力供給の不安定化や電力価格の高騰リスクに晒されています。同国政府は、環境負荷の低い電源構成を維持しつつ、電力供給の安定化を図るために、パリ協定に基づく公約(*)として、電源構成における水力発電を除いた再生可能エネルギーの比率を、2019年の19%から2030年までに28-33%にすることを掲げています。そのために、2012年以降、電力会社による大型電源開発に加えて、個人または商業施設や工場のオーナー等の法人による分散型電源(太陽光・バイオマス・風力等による自家発電)の導入を積極的に推進しています。しかし、農村地域の住民や小規模農家には、設備購入のための資金アクセス等に課題があります。

Sicrediグループは、1902年創業の信用組合を起源とする中南米最古の信用組合グループで、現在114の信用組合が加盟しています。国内22州、約1,300の自治体に約1,700の拠点を持ち、約402万人の組合員を有しています。特に農村地域に広いネットワークを有し、支店を構える自治体の約15%では同グループの信用組合が唯一の金融機関です。同グループは、2016年より、組合員による太陽光発電システム導入のための小口融資プログラム「Solar Energy Financing」を開始し、これまで約250MWの導入を支援してきました。同グループは、太陽光発電システムの投資回収期間に応じた長期の資金調達を行う必要がありますが、現在のブラジルの民間金融市場で、そのような長期の資金調達を行うことは困難です。JICAは、同グループの長期資金ニーズに対応することで、同国における太陽光発電システムの普及に貢献します。

本事業は、ブラジルのエネルギーの安定化及び世界的な気候変動対策に資することから、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール7、13及び17に貢献します。また、Sicrediグループは、女性の雇用や働きやすい職場・制度の整備を積極的に推進しているため、本事業は、2018年6月のG7シャルルボワ・サミットで2020年までに30億米ドルの資金動員を目指すことが合意された「G7 2X Challenge:女性のためのファイナンス」への貢献も期待されます。

JICAは、本事業を契機に、ブラジルにおいて100年以上の歴史を持ち、同国に幅広いネットワークを有するSicrediグループとの更なる連携を図っていきます。


(*)「自国で決定する貢献(NDC:Nationally Determined Contributions)」。NDCとは、パリ協定で決められた温室効果ガスの削減・抑制の大枠に対し、各国がそれぞれの状況に応じて自主的に行う削減・抑制の目標値。

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