モーリシャス向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:沿岸域の生態系保全・回復、経済・社会の持続的発展に貢献

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2021年10月22日

署名の様子

国際協力機構(JICA)は、10月15日、モーリシャス共和国政府との間で、「統合的沿岸域生態系管理システム構築プロジェクト」と「沿岸域ブルーエコノミーの持続的開発を通じたコミュニティ生計改善プロジェクト」の二つの技術協力プロジェクトに関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

モーリシャスは、多様なサンゴと海洋生物が生息し、ラムサール湿地に登録された豊かな生態系を有しています。しかし、近年は温暖化に伴う水温上昇によるサンゴの白化や、魚介類の過剰採集等、沿岸域生態系の劣化が課題となっています。更に、長引くコロナ禍や、昨年7月に発生した船舶座礁・重油流出事故が、観光業や水産業等の主要産業や住民の生活に影響を及ぼしています。

「統合的沿岸域生態系管理システム構築プロジェクト」は、より強靭な沿岸域生態系への回復を目指して、政府機関や現地NGO等関係者による生態系モニタリング体制の構築や、生態系保全・再生に向けた計画策定や実施を支援するものです。また、「沿岸域ブルーエコノミーの持続的開発を通じたコミュニティ生計改善プロジェクト」は、沿岸コミュニティの生計の回復・向上を目指して、漁業の管理計画の策定や漁民の能力強化を通じて、海を守りながら経済・社会を持続的に発展させる“ブルーエコノミー”の取り組みを推進するものです。いずれも、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール13、14に貢献します。

各案件の詳細は以下の通りです。

【案件基礎情報】
国名 モーリシャス共和国
案件名 統合的沿岸域生態系管理システム構築プロジェクト
実施予定期間 63ヶ月
実施機関 ブルーエコノミー・海洋資源・水産・海運省
対象地域 モーリシャス南東部の沿岸域
具体的事業内容(予定) 以下の取り組みを通じて、統合的沿岸域生態系管理システムの構築を図り、より健全で強靭性のある沿岸域生態系への回復に寄与する。
①沿岸域生態系管理委員会設置
②生態系モニタリングによる科学基盤情報収集、
③生態系保全・再生及びエコツーリズム等のコミュニティの生計改善に資するアクションプラン策定と実施
④現地コミュニティや観光者への啓発活動
【案件基礎情報】
国名 モーリシャス共和国
案件名 沿岸域ブルーエコノミーの持続的開発を通じたコミュニティ生計改善プロジェクト
実施予定期間 42ヶ月
実施機関 ブルーエコノミー・海洋資源・水産・海運省
対象地域 モーリシャス南東部の沿岸域
具体的事業内容(予定) 以下の取り組みを通じて、効果的な生計向上策を形成し、沿岸コミュニティの生計の回復及び向上に寄与する。
①生計向上パイロット活動計画の立案及び試行
②沿岸漁業管理の計画策定及び実施体制強化
③沖合漁業展開のための漁民の能力強化