ジョージア「中小零細事業者支援事業」に対する融資契約の調印 (海外投融資):COVID-19で打撃を受けた中小零細事業者の金融アクセスを改善

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2021年12月10日

Bank of Georgia顧客の中小零細事業者

国際協力機構(JICA)は、12月9日、Joint Stock Company Bank of Georgia(Bank of Georgia)との間で、ジョージアの中小零細事業者向け貸付資金として1億米ドルの海外投融資による融資契約に調印しました。本融資は、海外投融資再開後の同国における初の融資事業であり、アジア開発銀行との協調融資です。また、JICAが創設した「アジア諸国向け金融包摂促進ファシリティ」(*1)を活用して実施します。

Bank of Georgiaはジョージアの商業銀行で、全土に212の支店を持ち、資産額、融資額、預金額いずれも国内において二番目に大きい銀行です。国内における知名度とジョージア全域をカバーする事業プレゼンスを活かし、幅広い層に向けて金融サービスを提供しています。特に中小零細事業者及びリテール向けのビジネスに強みを持ち、中小零細事業者向けローンはジョージアのマーケットシェアの32%を占めており、今後ますます強化する方針です。

ジョージアの中小零細事業者は全事業者数の約99.7%、雇用の約62%を占めており(2017年時点)、社会経済において重要な役割を担っています。しかし、中小零細事業者の金融アクセスは限定的で、成長の阻害要因となっています。更にCOVID-19の状況下で観光、建設、製造といった分野の事業者が大きな打撃を受けており、金融アクセスの改善が喫緊の課題となっています。

JICAによる本融資は、Bank of Georgiaを通じて中小零細事業者向けの貸付拡大を支援することにより、COVID-19により喫緊の課題となっている中小零細事業者の金融アクセスを改善するものです。また、Bank of Georgiaは女性が経営する中小零細事業者にも積極的に融資を提供しており、本件融資の一部は同国の女性が経営する中小零細企業にも利用される予定で、G7の開発金融機関が取り組む女性の経済的エンパワメントのためのイニシアティブである「2Xチャレンジ: 女性のためのファイナンス」(*2)にも貢献します。SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、ゴール8(金融サービスへのアクセス改善)、9(小規模企業の金融アクセス拡大による産業化促進)、17(パートナーシップを活性化する)に貢献します。JICAは今後もジョージアの経済社会の発展に向けた民間資金動員を加速していきます。

(*1)アジア諸国向け金融包摂促進ファシリティ:2019年11月に我が国が第22回日・ASEAN首脳会議における首脳声明において立ち上げた「対ASEAN海外投融資イニシアティブ」の柱の一つとして、「ASEAN地域等の金融アクセスを改善し、女性・低所得者・中小零細事業者等のエンパワメントを目的とした同地域の金融機関への融資を行う」としていることを踏まえ創設されたファシリティ。

(*2)2Xチャレンジ:女性のためのファイナンス:2018年6月のG7に合わせ、JICAを含む各国の開発金融機関が採択したイニシアティブ。女性の経済的エンパワメントに資する案件に対して2020年までに30億米ドルの資金動員を図ることを掲げた。2021年には同取り組みを更に拡大すべく、2021年から2022年の2年間で150億米ドルの資金動員を図る目標を設定。2X(ツーエックス)は女性への投資の量及び効果を倍増させるという目標を示している。

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