環境社会配慮ガイドラインおよび異議申立手続要綱を改正 ~更なる持続可能な開発をめざして~

2022年1月4日

国際協力機構(JICA)は2022年1月4日に「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(以下、「環境社会配慮ガイドライン」)及び「国際協力機構環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立手続要綱」(以下、「異議申立手続要綱」)を改正しました。

JICAは、開発協力事業が自然環境や社会環境に与える影響を抑え、持続可能な開発が行われるよう、環境社会配慮ガイドラインを定めています。例えば、開発協力事業として大規模なインフラ工事を行う際、JICAは、相手国の事業実施機関がこの環境社会配慮ガイドラインに沿って、大気・水質の汚染を防ぎ、騒音・振動を低減させ、移転を余儀なくされる住民への補償を適切に行うことを支援し、確認します。また、環境社会配慮ガイドラインが遵守されていないおそれがある場合に、現地の住民から異議を受け付け、調査・調整する異議申立制度を整備しています。

新しい環境社会配慮ガイドライン及び異議申立手続要綱は、これまでと同様に、国際水準の環境社会配慮を実現し、更に迅速に事業を展開することを狙いとしています。環境社会配慮ガイドラインについては、例えば気候変動への対応として温室効果ガス総排出量の推計や公表の取り組みを盛り込みました。また、事業計画の早期段階での対外情報発信・対話を促進しつつ開発効果をより迅速に発現させることを目指した環境アセスメント報告書の公開方法の変更、影響を受ける現地の人々の適切な参加を確保する対応の拡充のほか、世界銀行等の多国間援助機関の対応を踏まえた更新を行いました。異議申立手続要綱では、異議申立審査役の独立性・中立性の明確化、調査期間の十分な確保、申立要件の見直しによるアクセスの向上等の改正を行っています。

約12年ぶりの改正にあたり、JICAは環境社会配慮や開発協力事業に詳しい外部の専門家で構成された常設の環境社会配慮助言委員会の協力を得ながら、改正前のガイドラインに基づき環境社会配慮が行われた事業のレビュー等を通じた包括的な検討を行いました。また、学術界、NGO、民間企業、省庁関係者等で構成された「国際協力機構環境社会配慮ガイドラインの改定に関する諮問委員会」の検討やパブリックコメントの募集を通じて、国内外から広く意見を聴取し、検討に活かしました。

JICAは引き続き、持続可能な開発の実現に向け、適切な環境社会配慮に取り組みます。

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